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2011年1月

2011年1月31日 (月)

「真夜中の死線」

★★★☆☆。
 看板に偽りあり、ってだまされる方が悪いんだけど。死刑執行直前に真犯人を捜し出す時間制限サスペンスという、「幻の女」と「暁の死線」を足して2で割ったような内容に、ウィリアム・アイリッシュばりのいかにもなタイトル。帯にある「10年に1度出るか出ないかの至高の傑作である」の惹句。そして何といっても訳者が芹澤恵。本屋で手にとったときに、この訳者名は効いた。フロストもので芹澤さんの名訳は身に沁みている。彼女が選んで?訳した本なら間違いなかろう、と思ってもおかしくない。
 死刑執行当日の受刑者のようすと着々と整えられていく執行準備、ほんの小さな疑点から冤罪の可能性に思いいたって行動を開始した新聞記者。それぞれの動きが交互につづられていく、というよくあるパターン。執行数時間前という期限時間の圧倒的な短さは特徴的だけど、なぜかじりじりするような焦燥感、緊迫感が伝わってこない。肝心のエヴェレットという記者の人物造型に失敗しているからだろう。フロストは確かにくそったれだけど憎めない、共感できる。しかしエヴェレットは単なるくそったれでしかない。なんでこんな男が主役を張るのだ。
 そして極めつけは、土壇場の泥酔運転でのカーチェイスに突然心変わりした証人というご都合主義。死刑執行直前のトラブルもあまりにクサい。安易な90分ドラマを見せられているようだ。

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2011年1月30日 (日)

赤羽圧勝

 今日の話題はワールドカップじゃないアジアカップで決まりでしょ、というわけでぼくもあることないこと書きたいのだけれど、恥ずかしながら前半終了まで見ていてこれは長期戦になりそうだなと寝てしまった非国民なので、偉そうなことが書けない。
 しようがないので大阪国際女子マラソンの方を。これも全部を見ていたわけではないのだけれど、30キロ過ぎからの後半部分はまじめに観戦。終わってみれば赤羽有紀子が堂々のレース運びで優勝。昨年の途中棄権が信じられないほどの安定した走りで格の違いを見せつけた感じだった。先頭グループにいた木崎良子がまずおいていかれ、33キロ過ぎで堀江知佳が遅れてからは伊藤舞とのデッドヒート。伊藤よく頑張ったんだけど、38キロくらいで赤羽がスパートしたらもうそれっきりだった。まだまだ余裕すら感じられる走りでタイム差以上の圧勝といっていいのでは。世界陸上候補内定への標準記録にはちょうど30秒及ばなかったけれど、低温と風の悪条件の中でこのタイムは評価できると思う。
 ぼくとしては、ママさんランナーの赤羽より若い伊藤舞を応援していたんだけど残念だった。男子だとどうしても年長者に肩入れしたくなるけれど、やはり女子は若い子を応援してしまうのはなぜだろう(笑)。

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2011年1月29日 (土)

「浪花少年探偵団」

★★★★☆。
 東野圭吾の短編作品はあまり買ってないのだけれど、これは別。読んでいてすこぶる楽しい。解説文によるまでもなく、これはひとえに大阪弁による会話のなせるわざだろう。ごく普通の会話が大阪弁というだけでなんでこんなに生き生きしてくるのだろう。主役たる小学校のしのぶセンセ(先生ではない、センセ)と子供たちのやりとり、事件を通じて知り合い、センセに思いを寄せる新藤刑事との会話。そんなこんながそれはおかしい。まさに大阪弁が地に足がついている。育ちは争えないものだ。
 5つの連作短篇のそれぞれはトリックだのプロットだのというほどのものではなく、ミステリとしてはお粗末だけれど、これはそういう観点から評価すべきものではないだろう。しかし、主役はなんといってもしのぶセンセだろうに、タイトルがなんで少年探偵団なんだろう。
 それはともかく、この本の最大の魅力のひとつは宮部みゆきの書く解説だろう。文庫本を読んで得することは解説が付されていることで、なぜ値段の高い単行本に解説がないのか不思議で仕方がない。それを宮部みゆきほどの達人が書いているとなるとなおさらだ。この解説を読むだけでもこの文庫本を買う価値がある。うまい。ほんとにうまい。大阪市内のバスでの姉弟喧嘩のシーンから読み手を引きこむ手腕。こんな小文でも手を抜かないというかそもそものレベルが高いのだろう。大阪弁の人情小説書いてほしいなあ。きっとうまいに違いないと思うけどな。しのぶセンセが「じゃりん子チエ」のチエちゃんの大人になった姿では、という説には爆笑。わはは、おかしい。チエちゃんはガッコのセンセにはならんやろ。それにしても宮部みゆきが「じゃりん子チエ」の熱狂的ファンとは。ポイント高いなあまったく。
 本篇より解説の感想が長くなってしまった(笑)。このしのぶセンセものは続編があるので楽しみ。解説は誰が書いてるんだろうなあ。

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2011年1月28日 (金)

プロコフィエフ

 年度末の近づくこの時期は毎年バタバタと忙しい。師走はすんだはずなのに今日も走りまわるはめに。朝から始まった3つの会議と打合せがそれぞれ延びてつながってしまい、夕方にやっと研究室にもどってやれやれと遅い昼食をかきこんだらすぐにゼミ。終夜測定のマシンタイムがはいっていたので、申し訳ないけれどゼミを途中で抜けてNMRの測定。そこからもどってお客さんに挨拶したあとすぐにKitaraに直行。開演5分前になんとか駆け込んだ。
 こうまでして、コンサートを聴きに行かなきゃならないものかとも思うけど、こういう時にこそボーっと音楽に身を委ねる必要性があるのだとも思う。先月の定期は学会直前準備で行けなかったこともあって、安くない年間シート料金を払っているので今月は絶対行くぞとは思っていたし。
 といいながら、Kitaraのシートに落ち着いたらたちまち睡魔に襲われ、一曲目のブラームスは見事に夢の中。休憩後のプロコフィエフもまだ眠かったけれど、さすがにあまりの騒々しさに眠気が覚めた。もうフィナーレのクライマックスかと思ったらまだ第一楽章だったし(笑)。プロコフィエフはわりと好きで、たしか以前にも札響定期で聴いて感銘を受けた記憶がある。この曲じゃなかったかな。過去のWebmaster日記に検索かければ引っかかると思うけど、いまそこまでやる気はしない。

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2011年1月27日 (木)

学期末試験

 今日は有機化学の非常勤講師をやっている東海大の試験日。10月から毎週木曜午後に通った南沢の高台にある札幌校舎ともしばしお別れ。職場からここまで来るのは結構遠く、特に冬はバスが遅れがちで雪の中を待たされたりして大変だ。それも今日で一区切り。やれやれというところ。ということを昨年のブログにも書いたよな、と思ったらその通りだった。
 毎年めぐってくる年中行事は前年と記事が重ならないように意識してはずしたり、と2年目にはいると工夫しているつもりなんだけど、なかなか毎回毎回そうもいかない。どうせ去年の記事なんて誰もおぼえちゃいないし、そこまで遡ってアクセスする奇特な人などいないから、極端な話去年のをコピペしたっていいくらいのものだ。あ、冗談ですからね(笑)。
 よその大学のことながら気になるのは、学科の受講生が2年前は25人いたのが昨年は20人で今年は12人。18歳人口減少で地方の私立大学はどこも大変だ。うちの大学にくらべても、就職支援とか学生サービスはなかなか充実しているし、小さいキャンパスなりに頑張ってやっているように見えるけどな。人口減に不景気で少ないパイの奪い合いになると私立は不利だろうなあ。来年度また引き受けるかどうかは決めてないけど、どうなるんだろう。さすがに一ケタになったら通常の講義形式ではやりづらいよなあ。というより非常勤を同じ給料で雇い続けることができるのだろうか。さて来年のブログには何を書いていることやら。

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2011年1月26日 (水)

「博士の愛した数式」

★★★★★。
 ★5個満点が連続するなんて、読者冥利につきる。こういう本に巡り合える幸せ。しかしなんて素敵なお話なんだろう。ぼくはこういう物語が読みたかったんだ~、と大声で叫んで歩きたいくらい。もちろん有名な作品なので何を今さらと言われそうだが、ぼくはベストセラーとかナントカ受賞作とかはほとんど読んでない人なので、今頃になって初読なのだ。
 事故により80分間の記憶しかもてなくなった64歳の数学者が主人公。数学者がそういうイメージなのかわからないが、記憶の欠陥は別としてもよろず世事に疎い博士と、身の回りの世話を焼く派遣家政婦である私と、そして博士にルートと名づけられ可愛がられているその10歳の息子、登場人物はたった3人で、その日常的なやりとりが坦々とつづられてゆく。あとは老博士の義姉にあたる母屋の老夫人(あとでキーパースンのひとりと判明する)がちらっと出てくるくらい。
 数学者が主人公だけに、友愛数、素数、オイラーの式など数学的な話題が多く、その魅力が物語に独特な奥行きをあたえている。以前話題になった「数の悪魔」を引き合いに出すまでもなく、数学は苦手でも数の不思議さにとても魅力を感じる人は多いだろう。これを読んで自分と相方のもつ数字に何か因縁がないだろうかと探した人は結構いるに違いない(笑)。
 裏表紙の紹介文に「あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語」とある。なるほど、その通りだ。随所にみられる「私」と「博士」の心の通い合い。80分しか覚えていられなくたって人を思いやることはちゃんとできる。博士のやさしさがしみじみと伝わってくる。「仕事中、心に浮かんでくる博士は、いつもベッドでうな垂れていた」、「君が料理を作っている姿が好きなんだ」。そこには愛も恋も好いたも惚れたも出てこないけれど、まさに愛の物語なんだなぁ。じわーっと心が温かくなる。第1回本屋大賞受賞はだてではないよ。すばらしい。

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2011年1月25日 (火)

北オホーツク100kmマラソン

 今年の夏に浜頓別でウルトラマラソン大会が開催される予定という話をブログに書いたら検索サイト経由のアクセスの結構な数にびっくり。世はマラソンブームだそうだけど、ウルトラマラソン大会もかなり注目集めているんだなあ。せっかくアクセスしてもらっても、ほとんど情報がなくて申し訳ない思いをしていたが、最近やっと大会の詳細が発表され、webページ(http://www.north100.jp/)も立ち上った。これからはそっちを見てくださいね。しかし名前が北オホーツク100kmマラソンと雄大なうえにURLがカッコよすぎ。
 それによれば、8月21日(日)5:00に浜頓別町役場前をスタート・ゴールで100キロの制限が14時間とのこと。まあ平均的でしょう。コースはほぼフラットで最高所が68m。行けども行けども景色の変わらない平原の中という感じだろうか。精神力の勝負かも。100キロの定員は800名で申込み方法は3月下旬に公表。
 最大の問題は北海道マラソンの1週間前ということに尽きるな。去年完走してりゃ今年は余裕でパスできたのに、ああいうことになったので意地でも借りを返さにゃならないしなあ。さて、どうするね。
 そうそう、先週の献血の検査結果が届いて、今回はまったくの正常値だった。赤血球も白血球も低値とはいえ標準範囲内だし、気になるγ-GTPもちょっと増えたけど62だから余裕。コレステロール値も少し下がった。だからいうわけではないが、気のせいか最近体調いいし。こういう年こそやらないと、とは思うけど、ぼくの律速段階は気力だからなあ(笑)。

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2011年1月24日 (月)

それなり

 そういえば、昨日はお年玉年賀はがきの当選番号発表があったなと思って、ガサゴソと賀状の束を引っ張り出す。調べてみるとぼくが今年受け取ったお年玉年賀はがきはちょうど100通。そのうち下2桁で当たる末等の切手シートが1枚だけ。ちょうど期待値の半分だ。まあこんなものか。去年は108枚中3枚も当たっていたのがくじ運の弱いぼくにしてみれば異常で、今年くらいが分相応だろう。1枚も当たらない年だって結構あるのだから。あまって出してないはがきが23枚分あって、そのうちの1枚が当たっていた。これを運がいいと見るかどうかは微妙だけど。
 去年はそういえばいいことあったよなあ、今年はまあそれなりってことか。もう寝よう(笑)。

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2011年1月23日 (日)

「陽気なギャングが地球を回す」

★★★★★。
 久々に楽しい本を読んだ。こういう心置きなく笑える本は少ない。記憶にない。ひょっとしてボートの三人男以来か、などと思ってしまった。まさかそんなこともなかろうが。前に、ユーモア小説を読んで笑える人は幸せな人だ、そのときによって笑えない気分のこともある、みたいなことをある本の評に書いたことがある。しかし、それは大きな間違いだった。おもしろい本はいつ読んだっておもしろい。前の本がそう感じられなかったのは、実はおもしろくなかったからなのだ。
 それぞれに特技をもつ成瀬、響野、久遠、雪子の4人が銀行強盗を企てるのだが、首尾よく無傷で4000万円を奪取したものの、逃走中に思いがけない展開に巻き込まれ...、というドタバタコメディだ。男3女1というグループは座りがいいのだろうか。つい同じ作者の「ゴールデンスランバー」を思い出す。チームワークの良さ、阿吽の呼吸。世代的にも近い。それはともかく、何よりの魅力は個性的な4人の織りなす会話だろう。当意即妙の会話というのは頭の回転が速くなくては成り立たない。瞬時の切り返し、揚げ足とり、減らず口、誘導、強弁、言い訳、軽口、警句、それらがピタッピタッと決まってゆく心地よさ。おかしみのツボを心得ている作者ならではとしか言いようがない。この人にこういうセンスがあったとは。響野と久遠の漫才のような掛け合いなど絶品。とぼけた久遠もいい味出してるけど、ぼくとしては口の減らない響野が好みに合う。「私のポリシーは『おとなげなく生きる』だからな」。わはは、自分を見るようだ。
 これで続編があるというのだからうれしくて仕方がない(笑)。

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2011年1月22日 (土)

大雪

 今日は日中青空が広がっておだやかな1日だった。年明け以来毎日毎日雪が降り続いて、家ごと埋没してしまうのではないかといような勢いだったが、ここ数日は少し落ち着いたようだ。
 家の周りの雪掘りをしなくてすんだので、久々に街中へ出かけた。幹線道路の排雪がほとんど追いついていないので、片側1車線の道路は片方が停まらないと車がすれ違えないほど狭く、分離帯つき片側2車線の道路も1列でしか走れない。もちろん路線バスが停車すると車列はストップ。いつも行く床屋でマスターとひとしきり雪談義。会う人ごとに話題は雪の話ばかりだ。市内でもどこが雪が多いとか少ないとかの話になるが、報道によると今年は北区から東区、厚別区へと市の北東外周部の降雪が異常に多いらしい。なかでもここあいの里地区の降雪量が多く、最近では全国区のニュースでも取り上げられたくらい。もちろんローカルニュースでは、このあたりにも取材カメラがはいって、近所の奥さんがインタビューされていた。
 地区ごとの公式な降雪量のデータは見つからないので、気象庁の観測点からここから近い石狩観測点と札幌市内の観測点の各年1月1-21日の降雪量合計をグラフ化してみた。いかに今年が突出しているか、中心部(札幌)より北辺部(石狩)が多いかがよくわかる。大雪だった2006年なんて今年に比べればかわいいものだ。
 これでまだ1月半ばだというからたまらんなあ。この先どうなるんだろうか。

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2011年1月21日 (金)

アースマラソン完走

 間寛平さん、約2年間4万キロを走破して無事に大阪にゴール。おめでとうございます。言うは易く行うは難し。まさに一口に4万キロというけれど、これは途方もない距離だ。大洋をヨットで渡った距離も含まれるから実際に2本の脚で走ったのはそのうちのどれくらいかは知らないけれど、偉業には違いない。
 もちろん、サポートやスポンサーがついての旅ではあるけれど、それにしてもやろうと思い立たなければはじまらない。そしてもちろんその気があっても強靭な体力と精神力がなくてはとうてい続かないだろう。偉いなあと心から思う。
 スケールが違い過ぎて書くのもおこがましいが、ぼくには四国遍路という夢がある。単に八十八か所を一ヶ月あまりかけて歩き通すだけだ。一念発起して一ヶ月休暇取りさえすれば明日からでも出発できる。それができないのは、できないのではなくやらないのだ。いったい何に遠慮しているんだろう。“豆腐屋のじじい”になるんだといいながらこのていたらく。ほんとに恥しい。

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2011年1月20日 (木)

「DIVE !!」

★★★★☆。
 う~ん、惜しいな。絵に描いたようなスポ根もの。それぞれに個性的な3人の飛込み選手をそれぞれの視点で描きながらクライマックスのオリンピック代表決定戦へもっていく構成は申し分ない。飛込みというマイナーなスポーツに焦点をあてて、飽きさせずに文庫版上下2巻を読ませる筆力も敬服の至りだ。ともに主人公と言っていい要一、知季、飛沫の3人の少年、脇を固める大人たち、いずれもよく書けている。スワンダイブなんて身震いするほど見たいと思う。なのに、なんで満点星5個がつかないのか。だから惜しい。
 まずはいいだけほめたので、あとは気兼ねなく気に入らない点をあげよう。何といってもエンディング。小説の読後感を左右するのはこの結末部分だ。ここをおろそかにするといくら途中が素晴らしくても大きなイメージダウンになる。3人のほぼ等価な主人公の中から1人の代表選手を選出する選考会。どうやっても2人の敗者がでてしまう。このへんは駅伝の「風が強く吹いている」や、リレーの「一瞬の風になれ」との違いで、個人種目の厳しさだからもちろんそれはしかたない。勝者、敗者それぞれに納得のいく結末を与えてくれれば、ああよかったんだなと安心できる。2人まではいいとして、ぼくが一番感情移入していたメインキャラのあのおちゃらけておじょくってるとしか思えないエンディングシーンはなんなんだ。スポーツに限ったことではないが、ストイックなまでの懸命な努力が必ずしも報われるとは限らない。それは人生の常だ。ぼくはだからこそ小説の中でくらい努力が実を結ぶ話が読みたい、読んで頑張る元気をもらいたい、と思う。けれど、挫折の美学というのもあるし、精一杯やってだめだったとしても全力を尽くしたのだからしかたがない、よくやったよと思える結末ならば、納得できる。だが、これはだめ。あれだけ栄光をかなぐり捨ててまでドロドロになって頑張った報酬があれかよ。ほんと作者の品性を疑ってしまう。スポーツやったことあるの、頑張ったことあるのと訊いてみたい。
 あとの2人のサイドストーリーにしてもそれぞれ文句はあるのだけれど、不快になるのでもうやめておこう。こういう本筋とは直接は関わらない部分の、読み手の心を苛だたせる無神経さも大きな減点要因になっている。誰か小説のなんたるかを熟知している達者な書き手に手を入れてもらったら、すばらしい作品になっただろうに。惜しい。

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2011年1月19日 (水)

電子化時刻表復刻版

 

 このところ鉄ネタが少ないので何かないかいなとさがしたところ、時刻表復刻版が電子書籍になるというニュースを見つけた。アナログな冊子体の時刻表が電子化されてデジタルデータになれば、データの加工とかダイヤグラム化ができて便利だ。もちろんすでにデジタル時刻表は発売されているけれど、この記事はそういうことではないらしい。JTBパブリッシングで1964年10月号と1968年10月号を電子書籍としてiPad/iPhone向けに販売するということだ。全ページを広告も含めて完全収録して価格は1500円。
 どうやら単に復刻版を眺めて楽しむだけのものらしいが、B5サイズの時刻表をiPadならまだしもiPhoneに表示してどうするんだろうか。拡大すれば読めるとはいえ使いづらいだろう。画面表示例を見る限りでは単にページを画像化しただけで、次の掲載頁へのジャンプとかデジタルデータとしての付加機能は望めなさそうだし、一覧性が要求される時刻表にはつらいよなあ。まあ別にぼくは買わないからいいけど(笑)。

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2011年1月18日 (火)

けんけつちゃん

 半年に一度、1月と7月に職場にまわってくる献血車が来たので、48回目の献血に行ってきた。気になるヘモグロビン量は3年ぶりに14.0を切った前回と同じ13.5。前回は走り込み中の夏場だから気にしなかったけれど、冬場のこの時期にこれでは今シーズンが思いやられる。毎日納豆食べてるのになー。それはともかく、12月に学会で行ったハワイがちょいと綱渡りだった。帰国後4週間経過していないとだめなのだそうで、帰ってきたのが20日の月曜日だったから今日の火曜日でちょうど4週間と1日。うむむギリギリではないか。
 いつもいろいろもらえるおまけが、今回はオレンジジュース(あるいはお茶)とけんけつちゃんシールを貼った大判ウェットティッシュだった。いつものキットカットの方がよかったなあ。なんで変わったのだろう。このキャラクターけんけつちゃんていうのか、と調べてみたらなんともう5年も前からあるのだった。しかもけんけつちゃんの仲間たち、けんけつ体操、けんけつちゃん絵描き歌なんてのもあるし、さらにさらに各地にご当地けんけつちゃん(着せ替えけんけつちゃん)もいるのだとか。たとえば北海道バージョンの牛けんけつちゃんがこれ。う~む、おそるべし(笑)。

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2011年1月17日 (月)

「神隠し」

★★☆☆☆。
 時代物はぼくの好きなジャンルのひとつで、山本周五郎、藤沢周平、池波正太郎あたりから最近では佐藤雅美とか宇江佐真理とか、よく読んでいる。この分野は需要が多いとみえて、まだまだ知らない作家が膨大な数の作品を書いている。で、新規開拓ということで、たまに初めての作家のものを読んでみたりするが、それがなかなかだ。山本一力は4,5冊で飽きちゃったし、風野真知雄も少しご無沙汰している。
 と前置きが長い。で、なんでこれを選んだのかといわれても深い理由はない。気まぐれか。そんな軽い気持ちで掘り出し物を引き当てるほど世の中甘くないよな。まあ、軽い。パーっと読んでポイと捨ててしまう。後に何も残らない。そういう需要もあるんだろうな。列車や飛行機に乗る前に、売店で買って、読み終わらなくても着いたらポイ。書物は端坐して読むものという決まりがあるわけではないから、それが悪いわけではない。要は適材適所なわけだから。
 ずいぶんけなしたけど、秋山久蔵、悪くないよ。勧善懲悪、世の中の形式的な決まりなど無視してバッタバッタと悪人をやっつける。痛快だ。でもそれだけ。619円の価値があるかというと考えてしまう。つくりも杜撰だ。第三話の女の子の名前が美代になったり美奈になったりする。作者も作者だし編集者も編集者。読み直してるの、やる気あんの、という感じ。一事が万事お手軽なんだよな。まあ買って文句言う方が間違ってるんだろう。

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2011年1月16日 (日)

二番目の夢

 就活の話続き。面接で将来の夢はときかれたとか。夢ね~、即答できる人がどれだけいるか。ああ、ありがちな質問だから前もって用意しておくのか。エントリーシートといい面接の質問といい、実は答える内容なんてどうでもいいのだろうな。そこから他とは違う何か光るものを引き出したいと思うのだろう。優等生的な答は期待されていないよ、たぶん。今の学生は真正面から愚直に考えてしまうタイプが多いのでそのへんどうなんだろうか。
 ある人の夢を他人が評価できるかと考えてみれば、そんな傲慢なことはできっこないことは自明だろう。人の生き方はさまざまであり、その思いや夢なんて100人100通りあって当然だ。その話を聞いたときに自分の夢は何だろうと考えて、いくつか答を思いついた。一番の夢はここには書けないけど(星野富弘か(笑))、二番目はサロマ湖100キロマラソン完走と即答できる。サロマンブルーと見栄を張って言いたいところだけど、さすがにそれは無理。たかだか100キロを13時間以内に走るだけのことで、毎年たくさんの人が達成していることだが、100キロレースを7回走って14時間すら切ったことのないぼくには大きな目標だ。人は人、自分は自分、ぼくのライバルは他人ではなく昨日の自分なのだ。だから常に目標は自己ベスト。
 前置きが長いって。だから今年のサロマ湖を目指すと言えればカッコいいのだけれど、残念ながら今年は走らない。代わりに、今日しまなみ海道100キロにエントリーした。準備期間が短く走り込みのきかない6月のウルトラマラソンなんて走ったことがないので、自己ベストを出すのは難しいだろう。どれだけ走れるものかこれから精一杯やってみて、その後にどうするかはまた来年考える。ちっぽけな夢といわれるかもしれないけれど、大きなお世話だ。何年かかるかわからないが、ぼくはこの道を走り続けるさ。

2011年1月15日 (土)

「GO」

★★★☆☆。
 手に取っている時点で何らかのセレクションが働いているわけだから、なんの予備知識もなしに小説を読み始めることは普通はない。これ読んでみたら、とポイと渡されて素直に従った場合を除いては。なので在日朝鮮人の少年が主人公の民族問題を扱った小説だとはページを開くまで知らなかった。あとでちょっと調べてみて、10年ほど前の直木賞受賞作で映画化されて大々的に話題になった作品ということに驚いたくらいだ。無知というのはどうしようもないものだなと思うが、そういう世間的な評価を知ったあとでも、ぼくにはこの作品の真価がよく理解できないままだ。
 朝鮮、韓国、民族、国籍、在日、差別、同化、そういう問題に対する認識というか日常性がぼくの周囲には皆無に近い。もちろんテレビで北朝鮮の拉致問題や軍事行動などのニュースは見るけれど、それは世界情勢のひとコマであって民族問題として捉えているわけではない。韓国へは行ったこともあるし、韓国人の知り合いもいるけれど、それとて数ある外国のうちの一つでしかない。なので、正直ピンとこないというのが第一印象だ。
 そういう社会的なテーマ性を抜きにして考えると、これは主人公の交友関係を綴った青春小説、あるいは父と息子の関係を綴った家族小説という骨格が透けてみえる。たぶんぼくに薦めてくれた人はそういう読み方をしたのだと思う。それなら理解できないこともない。冒頭に「これは僕の恋愛に関する物語だ」、なので「一切の『主義』は関わってこない」、という主人公の断り書きが出てくる。もちろんそれは作中の言葉であり、作者の韜晦であるのかもしれない。だがその言葉が正しいとしたら、登場人物がほとんど在日朝鮮人であっても、それは単なる舞台装置のひとつでしかないのであり、それ以上は深読みというものなのだろう。
 映画、音楽、小説、洪水のように流れていく数々のタイトル。青春の重要なピースなのだろうけれど、その大半はぼくのなじみのあるものではない。そもそも恋愛の物語というが、どこに恋がありどこに愛があるのかが皆目わからなかった。ただ、父親と息子の関係、その微妙な距離感と愛情はちょっと悪くないと思う。特に父親がなかなかいい味出している。前にも書いたようにぼくには経験のないことだけに、うらやましい気がしないでもない。ということで星をひとつサービスしておいた(笑)。

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2011年1月14日 (金)

豆腐屋のじじい

 就活中の学生に聞いた話によれば、エントリーシートの質問に「自分の人生を変えた本をあげよ」というのがあったそうだ。感動した~とか影響を受けた~ではなく、人生を変えた~だからすごいよね。たかだか20年そこそこの人生でそんな大層な本に出会った人なんてどれくらいいるのだろうか。
 ぼくはこれまでにたぶん数千冊は本を読んでいると思うけど、人生を変えた本なんてあっただろうか、と思わず考えてしまった。話を聞いたときにすぐにはとても思い浮かばなかったけれど、今頃になってああそういえばというのをいくつか思い出した。
 そのうちのひとつで最も新しいのが「模倣犯」。新しいといってももう10年近く前だ。宮部みゆきの代表作の一つとされているこの大作、実はぼくはあまり高く買ってない。いま採点したとしてもたぶん星3個止まりだろう。読んだ直後の01年8月26日のWebmaster日記にもそんなようなことを書いた。が、そこにはこうも書いてある。『(前略)...それに比べて豆腐屋のじじいこと有馬義男の人物描写は文句なしにうまい。うら若い?女性がどうしてこんな年配の男の心のひだを鮮やかに描けるのだろうか。「そんでも私は、悪あがきしたいんだよ。何かをしたいんだ。」、穏やかに暮れ行くはずだった人生のたそがれを、思いもかけない事件との遭遇で根底からひっくり返された男の、内奥から湧き上がる心の叫びが胸に響く。...(後略) 』。
 この豆腐屋のじじいの言葉に、ぼくは自分の生き方を考えさせられた。生き方を変えたと言ってもいいかもしれない。もう一度前後を読みたいと思って本棚から引っ張り出してみたものの、上下2冊のボリュームに探しようがないよこれじゃと諦めかけたら、なんと下巻の栞ヒモがちゃんとp462にかけてあった。当時よほど気に入っていたものとみえる。上記に続く部分にはこうある。「この上、じっと座っていて、何かがやって来て私から残りの人生を、ほんのちっとしか残っていない人生を、また取り上げてゆくのを黙って見ているのは嫌なんだよ...(中略)...もう受け身でいるのはまっぴらなんだよ」。
 ぼくの人生だってもう長いわけじゃない。あっちに遠慮し、こっちに気を使って、やりたいこともやらずに朽ちていくのは嫌だ。そうつくづく思った。ということで、それから少しだけだけど好き勝手に生きさせてもらっているというわけ。人生変わったかな(笑)。

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2011年1月13日 (木)

スマートフォン時代

 へえ~。スマートフォンの12月国内販売台数が携帯電話全体の48%に達したというニュース。もう時代はそこまで行ってるのか。就活生の2人に1人はスマートフォンユーザーなんて記事もある。フットワーク軽くどこでもweb情報を入手できるというメリットなんだろう。これはもちろんiPhone人気の影響が大きいのだろうが、XperiaやLYNXなどAndroid機種の台頭も著しいし、もう今年中には携帯といえばスマホという時代になっているかもしれないな。ガラパゴス携帯危うし(笑)。
 ぼくのBlackBerry Bold9000はといえば、使い始めてもう2年近くになる。この間Bold9700が出て、最新機種はCurve9300と2世代も新しくなっている。そろそろ機種変更したいところだけれど、なんかいまひとつ乗りきれない。最大の理由はFelica非搭載だ。どうせスマホを買いかえるのなら、今度こそ従来の携帯(フィーチャーフォンというのだそうだ)を解約して回線をひとつにまとめてしまいたい。それにはぼくの場合おサイフケータイ機能が必須なのだ。iモードメールはまあなければないで、今のBBBでもプッシュでメールが来るから代替可能だけど、EdyやモバイルSuicaなどのおサイフケータイサービスは他で代替が効かない。いくらスマホが便利だからって、このキャッシュレスの便利さに慣れてしまうとこれを放棄する気にはなれない。
 そういうニーズはやはりあるとみえて、iPhoneに貼るFelicaシールなんてのは笑止だけど、ドコモでは最新Android機種向けにおサイフケータイサービスを今年からはじめるという情報もでているので、期待したいところだ。だけどぼくの場合BlackBerryに搭載してくれる望みがあるのかが問題だな。Androidが主流になるのかなあ、悩ましいところだ。

2011年1月12日 (水)

「兄の殺人者」

★★★★☆。
 よくも悪くも教科書のような正統派ミステリ。あのクリスティが絶賛したというのがよくわかる。ミステリだと思ったらロマンスだったり、サスペンスだったり、コメディだったり、という変化球作品ばかり読んでいると、こういうそれ以上でも以下でもないミステリがやけに新鮮に感じられる。それだけでポイントが高い。現代は、何らかの付加価値をつけなければ、単にミステリというだけでは評価されにくい時代なんだろうか。だとすれば嘆かわしい話だ。
 タイトルの通り、共同で弁護士事務所を開いている兄を殺した犯人を弟が突きとめるという話で、事務所関係者や家族など少ない登場人物を生き生きと描きながら、的を絞ってゆく。終盤にお決まりのどんでん返しも用意されている。目のさめるトリックがあるわけではなく、事件も最初にひとつ起きるだけで、坦々と進んでいながら、ストーリー展開がうまいのでどんどん引きこまれてしまう。最後の意外性も及第点。そうか、前に読んだ「悪魔はすぐそこに」と舞台や物語はまったく違うけれど、似ているかも。いずれにしても往年の本格派なんだよな。この作者、要チェックだな。だけどこの邦題、なんとかならないものか。日本語になってないし(笑)。ちなみに原題は「My Brother's Killer」。

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2011年1月11日 (火)

しまなみ海道100km再開

 今日は何の日? 11年1月11日という1並びの日。それもあるけれど、今日はサロマ湖100キロマラソンのエントリー開始の日。こっちの方が重大だ。今年の第26回大会は6月26日の開催。100キロの部は先着順3500名の募集。今年に始まったことではないけれど、この冬のオフシーズンで体が怠けきっているときに、半年先に100キロを13時間で走れるかと考えると、とても自信がない。ロード練習できるようになるのは4月だからそれまでまだ3ヶ月近くもある。これが10月のレースで5月募集開始くらいだと、走り始めている時期なのでよしやってやろうという気にもなるんだけどな。マラソンなどロードレースは冬のスポーツなので、道外の人は今が走り込みしている時期だから、6月のレースならちょうどいいのだろうが、北海道の冬はそうはいかない。なんでこの時期に募集するかね、と自信がないものだから言い訳ばかり...。
 ところで、なんと驚いたことに、惜しまれつつも2008年を最後に中止になった海宝さんのしまなみ海道100キロが今年から再開されるというニュースを知った。一度走りたいと思っていてかなわなかった大会だけに、またチャンスが与えられたのはうれしい限り。こちらは6月4日の開催でRUNNETの申込みは明日1月12日開始。先着1000名。行きたい。行きたいけど、レースはサロマよりもさらに3週間も早い。制限時間は3時間長いとはいえ準備が間に合うのか。人気大会だし1000名ならすぐ埋まっちゃうだろうな~、う~むむ。とりあえず明日まで悩もう(笑)。
 だけど、こうなったらこちらも2007年を最後になくなってしまったくりやま100キロも復活してほしいなあ。栗山なら近いし7月だしいうことないんだけど。同じ海宝シリーズでもこっちはずっとマイナーだったし、そううまくはいかないだろうな。

2011年1月10日 (月)

「ロシア幽霊軍艦事件」

★★★★☆。
 霧の芦ノ湖に忽然と現れたロシアの巨大軍艦。いったいなぜ、どうやって? まったく島田荘司の考えそうなことだ。どう考えても荒唐無稽にしか思えない不可思議な状況を、例によって奇抜な大仕掛けで合理的に説明つけてしまう。まあ、今回はさすがにちょっと、いやかなり苦しかったけどな。絶対あり得ないとは断言できないというレベル。
 現実の事件を解決するという話ではなく、過去の歴史上の謎を解き明かすという体裁になっているので、大半がロシア帝政の崩壊とロシア革命前後の物語になっている。どこまでが史実でどこからがフィクションなのか世界史に暗いぼくには判断がつかなかったが、著者自身の後書きがついていて、ボルシェビキの処刑を逃れて行方不明になったロマノフ王朝のアナスタシア皇女がアメリカに渡って生き延びていた、というまるで源義経~ジンギスカンみたいな話の生き証人が現実にあったというからびっくり。その真贋は別として、この想像力豊かな異才はそこからこの壮大な純愛ロマンスを仕立て上げた。まあ、おとぎ話だ。おとぎ話だけど、どうしてこの作者の紡ぎ出す純愛物ってこんなにも切ないのだろう。「異邦の騎士」しかり、「摩天楼の怪人」しかり。
 「私はあの(富士)山よりも高く、バイカル湖よりも深く、あなたを愛しています。」 こんなセリフにどん引きさせないで、うんうんと思わず感情移入させてしまう筆力はさすが。単なる歴史ミステリであの無理っぽいトリックだけならせいぜい星3つなんだけど、どうもぼくは純愛物に弱いので点が甘くなってしまう(笑)。

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2011年1月 9日 (日)

積雪1m

 この冬は暖冬少雪の予報じゃなかったかなあ。しかし、ここ数日の雪といったら。昨年末は雪が少なくて、そのおかげで路面がツルツルに磨かれて滑って歩くのに難儀していた。6回ころんだ人も(笑)。それがウソのように年明けからどかどか雪が降り、今日はうちの近所の石狩観測点ではとうとう積雪100 cmを観測した。大晦日には28 cmだったから、この10日間で70 cmも積雪が増えたことになる。この時期に積雪1 mを超えるのは豪雪だった2006年以来だ。まったく先が思いやられる。
 年明けの通勤列車で久々に先頭車から前方を見ていたら、あいの里教育大~桑園間のほとんどで架線敷設工事が終わっていた。ぼくは電化路線とはあまり縁がなかったので電化工事の進捗をリアルタイムで見るのは初めてだけど、架線柱さえ建立してしまえば架線を張るのは結構早いものだな。でも、電化準備工事してあった高架区間はスムースに工事が進んで、最も早かった新琴似~新川の架線工事は昨年春には終わっていたから、それを考えると夏の間に完了しなくてまだ未工事区間が残っているのは遅すぎるような。特に、最後まで残っている拓北~篠路の上り線の一部は家屋が線路際まで建て込んでいてまだ架線柱すら立っていない。この雪に埋もれてしまって、これから工事できるんだろうか。この冬から735系の冬季試験をする予定ときいていたけど、試験運転は既存電化路線でやるのかな。

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2011年1月 8日 (土)

「神様からひと言」

★★★☆☆。
 ミステリかと思って読んだら全然違って、普通の小説だった。よくみると副題に「長編小説」とあった。それは見りゃわかるがな。その昔、講談社ノベルスの京極堂シリーズ「姑獲鳥の夏」が出たとき、背表紙の副題に「ミステリ・ルネッサンス」とあった。それが2作目では「超絶のミステリ」となり、3作目では「本格小説」と変化した。本格小説って何だ?とファンの話題になったものだ。4作目でそれがとうとう「小説」になった。わざわざ小説って書くかい、ミステリの枠を超えた作品という意味か、とこれも話題になった。次作は「説」か、とかみんな期待していたが、5作目からは副題が消滅した。小説を超えた作品になってしまったらしい。そんなことを思い出した。
 会社内や私生活のドタバタを面白おかしく綴っているサラリーマン小説。こういうのはどんな読者層が読むのだろうか。少なくともぼくの守備範囲からはまったくはずれている。数多ある本の中から何をどう選択して読むかは難しい問題だ。ぼくは狭く深く、気に入った作者が見つかると片っ端から全部読むという井戸掘り型で、井戸を掘り下げているうちはいいが、掘り尽くしてしまうと、次はどこを掘ろうかと地表で途方に暮れる。似たジャンルで書評で好評なものを探すというのが無難なチョイスになり、それでうまく行くこともあるがハズレのときもある。いずれにしてもなかなかふだんのフィールドからジャンプはできないもので、いきおい読む範囲が非常に偏っている。この本はさる人の推薦で貸してもらったもの。荻原浩という作家はかなり有名な人らしいのだが、まったく知らなかったし、自分からはまず手に取らないだろう。そういう点では貴重な経験だ。
 こういうユーモア小説を読んでのん気に笑える人は幸せな人だと思う。テレビのバラエティ番組で意図的に会場の笑い声を流すものが最近多い。場を盛り上げて視聴者をのせる手法のひとつなんだろう。でもその時の気分によっては、何がそんなにおかしいんだ無神経に、と気に障ることもある。ああいうのを見てうつ病の人とかは神経を逆なでされないのだろうか。
 この本も、読み始めは何がおかしいんだろうと思いながら読んでいた。ギャグが心にかすらない。字面はおもしろいのだが、心が笑えていない。面白くなりだしたのは、主人公の凉平がお客様相談室に飛ばされてからだ。これは何といっても篠崎のキャラだろう。がぜん物語が息を吹き返した感がある。これはフロスト警部そのものではないか。上司の本間はマレット警視で、凉平は手下の新任刑事。ぴったりはまっている。パロディかと思うほどやりとりがそっくりでおかしいくらいだ。ぐうたらでダメ社員に見えながら実は仕事はすばらしくデキるところも同じ。上司、権力や悪には楯突くが、部下にはやさしい。絶対にウィングフィールドのフロスト警部ものの影響を受けているに違いない。
 ぼくはフロスト警部心酔者なので、篠崎を中心とするお客様相談室ものの続編があったらぜひ読みたいが、物語は完結してしまったからな。すべてが収束する会社での大詰めのドタバタや凉平の結末など達者に書けていて力量のあるのはよくわかるが、この井戸をさらに掘ってみたいかは微妙。

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2011年1月 7日 (金)

デザート

 職場の新年会。いつも思うのだけど、忘年会と新年会ってどう違うんだろう。いややる時期が違うのはわかるのだけど、どう使い分けるのだろうか。両方やってる律義な人たちもいるのだろうけど、ぼくの周りではフォーマルなものは新年会でインフォーマルなのは忘年会という気がする。今日のは毎年恒例の学科行事だし、仕事始めに学部全体でやる新年交礼会なんてのもある。それに対して忘年会はもっと小さい単位で研究室とか職場のグループとか友人とか。友人たちと新年会やろうよという話にはちょっとならない。
 いずれにしても学校は4月から3月が1年なので、この時期は中途半端。さて新たに気合入れてと思ったって実際はもう学期末の追い込みの時期なので、実感とはえらいズレがある。何も社会の流れにあわせて宴会しなくても3月と4月にやればよさそうなものだと思う。と書いて気づいた。2,3月には追い出しコンパ、4月には新歓コンパという名の忘年会や新年会がちゃんとあるのだ。まったく宴会好きだね、みんな(笑)。
 今日の会場の某ホテルで出てきたデザートのフルーツをめぐって先生方がケンケンガクガク。これは何だろうか。写真では大きさがわからないけど、長辺が5cm、短辺が2cmくらいの紡錘形。食感はナシかリンゴのようにシャリシャリしてえらく甘い。ナシのシロップ漬けだろうという意見が多いが、こんな小さくて赤いナシがあるかという反対意見も。ホテルの人に尋ねたら、ちょっとお待ちくださいと引っこんで、それきり出てこないし(笑)。

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2011年1月 6日 (木)

「死の蔵書」

★★★☆☆。
 すべての本好きに捧げるミステリ。なんて書かれると、本好きのミステリ好きとしては避けて通れない。しかし、読んでみると、う~む。きっちりつくられた正統派ミステリ、なんだろうな。意外性もある。犯人はともかく、無価値な本の山がどうやって価値の高い本と入れ替えられたのかのトリックなんかは、最後の最後にさりげなく書かれているけれど見事だ。
 それ以前に、触れ込み通り誰それの初版本とか稀覯本などの本好きにはたまらない話が随所にでてきて、amazonの書評にもそういう面での評価が多い。まあそれはそれで興味深くないこともないけれど、英米文学ってあまり知らないのでぼくにはほとんど猫に小判。そもそも本は読むもので、収集して眺める趣味はないからな。
 肝心のストーリーはというと、なんか首尾一貫していないというか、主人公が突然刑事から本屋に転職したり、有力容疑者であるはずのヒール役が尻すぼみに姿を消したりとか、どうも出たとこ勝負感が否めない。トリックは気がきいているのだから、もうちょっとうまく筋立てを運べば星4つになったのにと思う。

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2011年1月 5日 (水)

山の手よくやった

 そうか山の手負けたのか。まあ相手は前回優勝の実業団トップチームJXだし、しょうがない。しかし、北海道勢初の高校3冠のうえに、この全日本総合選手権でも山形大、愛知学泉大と大学チームを二つ撃破しての16強。大したものだ。
 バレーボールはまだしもバスケットボールってぼくはほとんど見ないし知らない。NBAってなに?というレベルだ。北海道にもレラカムイというプロチームがあるんだけど、ファイターズやコンサドーレと比べるまでもなく、ほとんど何も知らない。いつだったか、夏の大通りビアガーデンのステージにレラカムイの選手が登場して、客席がえらく盛り上がっていたのを目の当たりにして、えーっプロバスケってこんなに人気あるんだ、と驚いたくらいだ。
 もう過去帳入りの話だけど、高校野球といえば駒大苫小牧、高校バレーといえば妹背牛商、そして高校バスケといえば札幌山の手と。北海道の高校スポーツも全国レベルなんだよな。たぶんぼくが知らないだけで他のスポーツでも活躍している高校がたくさんあるのだろう。
 札幌山の手高は、ぼくが通っていた高校の近くにあるので特に親しみ深い。当時は女子高だったのだけれど、その後共学化して名前も変わった。とはいってもやはり女子が強いんだ(笑)。

2011年1月 4日 (火)

「学生街の殺人」

★★★☆☆。
 「放課後」、「卒業」に続く東野圭吾初期の学園もの。前の2作は読んでそれなりだったけど、こいつはちょっと期待が外れた。学生街とは銘打っても学生はほとんど登場しない。正しいタイトルは「学生がほとんどいない旧学生街の殺人」とすべきだろう。というのはいいにしても、つくりが画一的というか、この程度ならそんじょそこらにいっぱいありそうという感じ。
 うわべに起きている事件がありきたりの動機でトリックも何もなく犯人が割れる。この時点で残り1章100ページ、ああもう一幕あるんだなとわかってしまう。そこからが作者の腕の見せ所だろうに、その肝心の部分に無理が多い。意外性はあるかもしれないが、動機とか相互の人間関係とかに説得力がない。こんなんで殺されたのでは救いようがないよ。
 登場人物それぞれはよく書けていると思うけど、肝心の主人公のひとりである広美の存在感が希薄なのも気になる。謎が多いという設定なのはわかるけど。それに、そもそもすべての発端になっている昔の事件の処理がとうてい納得できない、というか非現実的だ。事件が起きた時点で法に則って常識的な対処をしさえすればこんなことにはならないだろうに。まあそれでは小説にならないんだけど。
 唯一の救いは、エレベータの密室の謎の悲しい真相だろうか。でも、小説としては救いだけど、これでは当の本人は救われない。かわいそう過ぎる。学園ものというからは、テーマのひとつが主人公で探偵役でもある光平の成長物語なのかな。ぼくには理解できないけど同年代の若者が読んだら感情移入できるのだろうか。それも謎だ。

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2011年1月 3日 (月)

シード権争い

 毎年似たようなことを書いているので今年はもう書くまいぞ、と思いつつもやはり書いてしまう箱根駅伝。
 今年は途中出かけていたりして、例年ほど熱心には観戦していなかったのだけれど、往路1区早大大迫の快走、2区東海大村沢のぶっちぎりの17人抜き、5区東洋大柏原の力走と、結構ツボは押さえていたと思う。今日の復路は、終盤のデッドヒートがすごかった。最終区までもつれこんだ2位東洋大の猛追もそうだけど、なんといってもゴール寸前までのシード権争い。最後は8-11位の4人のサバイバルレースになって誰が落ちるか、10位と11位では天と地の差だから走者はもう必死だ。
 びっくりしたのは最後の交差点で集団の先頭だった国学院大の寺田選手がコースを間違えて右折してしまったこと。ええっと思う間に後続においていかれて、すぐに気がついて追走、驚異の頑張りで1人抜いてなんとか10位に滑り込んだ。しまった!と思ったろうに、すぐに切り替えてあきらめずに追いかけたのが功を奏した。最後の最後まで何があってもあきらめずに頑張らなきゃけないんだよな。ほんとに1年生の寺田選手に教えられた。
 しかし、交差点なのにコース誘導員は何やってたんだろうか。間にあったからよかったようなものの、これでもし国学院が11位でシード落ちしていたら寺田君の心境やいかに、と思うとぞっとするよ。抜かれて涙の11位になった城西大の選手には申し訳ないけれど、ほんとによかった。

2011年1月 2日 (日)

「ルームメイト」

★★★☆☆。
 帯にあるとおり真相は意外ではあったけれど、こんなのありかねという方が強い。
 こういう作品はネタバレしないように感想を書くのは至難の業だ。これはすぐにネタが割れるので書いても大丈夫だと思うんだけど、テーマは多重人格。こういうのを持ち出せば結構いろいろなことができるので、それだけでミステリーとしては反則っぽいのだけれど、うまく使えばなるほどやられたなと思わせるのは可能だろう。
 この作品がヘタすぎるのはそれに頼り過ぎなことに尽きる。それしかないんかい、って感じ。もうひとつ別のトリックでひとひねりあればおもしろかったろうに。まあ、その裏をかいたといえば確かに見事に予想外の展開とはいえるけどね。
 もともとのノベルス版にはあって、文庫版では一旦終わった後の付け足しにされている最後の部分モノローグ4。これははっきりないほうがいいと思う。作者は最後のヒネリ技といって胸を張っているが、どこがだよ。ここまでやると逆効果というか意味不明だ。もしノベルス版というのを最初に読んでいたら確実に星が一つ減っていたろう。
 ところで、ぼくは最初のモノローグ1のある部分の描写にとても違和感があって、あ、これは伏線だな、実はこうなんだなとすぐ思った。それは最終的には正解ではなかったんだけど、メイントリックに関連したことではあった。作者が意識して書いたのかぼくの深読みなのか、どっちなんだろうとちょっと気になる。

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2011年1月 1日 (土)

初春

 明けましておめでとうございます。
 ブログを書き始めて1年がたった。正確には一昨年の12/29からだから昨日までで368日間に367のエントリを書いた。当初の目標は1年間毎日1エントリ書くことだったので、それはなんとか達成できた。厳密にいうと2日間抜けているのだけれど、通信途絶の遠地に出かけていたせいなので、それはしかたない。後から書いて日付をあわせれば簡単だが、そういうことはしない主義なので。Webmaster日記時代は1年間平均60-72エントリしか書いていなかったので、われながらよく書いたと思う。
 昨年1年363エントリのカテゴリ別内訳をみてみると、1位「書籍・雑誌」87、2位「日記・コラム・つぶやき」63、3位「鉄道」57、4位「ニュース」42、5位「旅行・地域」40となっている。こうしてみると、本と鉄道や旅の話で半分を占めているのか。次点の「ランニング・エクササイズ」29を含めると、なるほどそんなものかと納得。大学や科学の話ははるかに少ない。ココログのアクセス統計によると、1年間の訪問者数21257、アクセス数31593だった。最近は1日70人100アクセス平均というところ。毎日欠かさずアクセスしてくれている人が10人もいる。どこのどなたかわからないけれど、ありがとうございます。皆勤賞でも差し上げたい気分です(笑)。
 今年は2年目なので、少し力を抜いて気楽に行こうと思う。無理すると続かないのは人生もマラソンも同じ。というわけで、本年もjunkchem storyをよろしくお願いいたします<(_ _)>。

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