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2011年5月

2011年5月31日 (火)

トンネルが短かったから

 「スーパーおおぞら14号」の脱線火災事故。最近鉄道ネタを書いてないなと探すまでもなくこの大事故だ。起こったのは27日夜だからもう4日も前のことなのだが、現場検証、JRの家宅捜索と続いて今日の報道ではその全貌がやっと明らかになりつつある。あらためて考えてみると、ちょっと間違えたらものすごい大惨事になりかねなかったところで、乗客240人のうち軽傷者39人程度ですんだのはまさに幸運としかいいようがない。
 読売時事通信の記事をみると、事故現場は石勝線第1ニニウトンネル内だが、その発端になった3号車の減速機固定吊ピンが脱落したのはトンネルの占冠方向1.8キロ手前だそうだ。このあたりは占冠駅から続く下り勾配区間で、事故のあったトンネルの1つ手前の第2ニニウトンネルのさらに手前あたりになる。吊ピンの落下にともなってエンジンから台車へ動力を伝える推進軸が垂れ下がり、それが第2ニニウトンネル直前にある清風山信号場のポイントに引っかかってまず3号車が脱線。それは次のポイントで復帰したのだが、その後に線路上に落下した減速機部品に後続の2号車が乗り上げて脱線して現場のトンネルに進入して停止した、ということらしい。脱線停止しただけなら大きな事故にはならなかったが、それと相前後して最後尾1号車のエンジンから出火して最終的には6両編成すべてがトンネル内で焼失した。出火原因は、1, 2号車の下部燃料タンクに破損個所があることから脱線につながった落下部品との接触で燃料タンクに穴があき、軽油が漏れて1号車のエンジンの熱で発火したとみられている。なるほどなるほど、これですべてがつながっている。
 まず事故のあった第1ニニウトンネルが全長685mとこの区間にしては短かったのが何よりも幸いだった。6両編成の特急は全長約120m、それが中央付近で停車したとのことだから、火災から遠い先頭車方向から前方新夕張側への出口へ向かったとして距離は280m程度。10分ほど歩いて避難したと記事にはあるからそんなものだろう。もし、停車が遅れていたら。列車は第1ニニウトンネルを出ると150m程度の明り区間をはさんですぐに5825mと長大な新登川トンネルに突入する。万が一その中で止まってしまったら、燃えている後方へは逃げられないから前方へ5キロ以上も歩かなくてはならない。煙に巻かれて犠牲者が続出したことだろう。石勝線のこのあたりはこの新登川トンネルを筆頭に、登川トンネル(5700m)、鬼峠トンネル(3765m)と長大トンネルが連続する山岳区間。ほんとに短いトンネルでよかったと思う。

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 今日のランニング。5.7 km/34 min。今月の累計距離 256.8 km。

2011年5月30日 (月)

「男たちは北へ」

★★★★★。
 「男たちのロマンをさわやかに描く傑作ロード・ノヴェル」。なるほどねえ、コピーライターってのは短文でうまいこというなあ。それ以上もう書くことないし(笑)。まさに男の男による男のための物語、なんて書くと差別だとかいわれるんだろうか。そんなことないよね。女の女による女のための物語だってあっていいんだし。ぼくはそんなものに興味ないし見る気もしないけど。以前、読書家の女子学生におススメ小説リストを見せてもらったことがある。ぼくの読んだことのない本ばかりで、半分はとてもおもしろく読めた、けど残り半分はちょっとねぇと手が出ない。男と女は違うのだからそれで当然だと思う。
 話がそれた。東京から青森まで自転車旅行する不良中年桐沢風太郎の物語だ。旅行自体が著者の実体験に基づくのだそうで、随所にある峠越えの苦闘やドライブインでの食事、安宿に泊まる話など、臨場感たっぷりでそれだけで十分におもしろい。のだが、そこにフィクション部分として、桐沢が自衛隊の機密文書をひょんなことから手に入れたおかげで、その奪回を試みる隊員たちにつけ狙われ、行く手に繰り広げられる手に汗握る闘争が加わって、サスペンスに仕立てられている。その争奪戦にもう1人の主役として登場するのが、機密文書の真の意味に気がついて驚愕し、自衛隊の法務官という立場でありながら桐沢の生き方に惹かれて、最後には彼の青森行きを助けるために隊員と戦うことになるアウトサイダー尾形圀夫。そして本筋にはからまないものの、バイプレイヤーとして随所に現われて欠くことのできない存在であるヒッチハイカーの高校生。それぞれの男の生き方が、こうじゃなくちゃ、うんうん、と共感させられるものばかり。だからこそ、これは男の物語なのだ。

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2011年5月29日 (日)

勝負シューズ

 物が捨てられない性格なので部屋が片づかない。ランニングシューズもこのありさま。家人に邪魔だから整理しろ整理しろと言われ続けてさすがに重い腰をあげる。実はもう一足職場においてあるなんてことは言えやしない。右上の文字通り異色を放っているのが先日洞爺湖の帰りにアウトレットで買ったニューシューズ。ひとつ増えたのだからひとついらなくなるでしょ、たしかに道理だ。しかし自分で買っておいてなんだけど、このカラーセンスはなんとかならないものか。シャツやパンツはどんなのだって大差ないけれど、シューズはやはり大事なので、鈍足ランナーでもそれなりにこだわりがある。ぼくの場合、選択基準はソールの硬さと履き心地。アウトレットとなればサイズだって限りがある。デザインなどはどうしても二の次だ。なので、好き好んでこの奇抜なやつを買ったわけではない。とはいってもこのニューシューズ、今日で4日履いて走ってみたけれどすこぶる具合がいい。見てくれはともかくこれはいい買い物をしたかもしれない。
 上段のうち右端以外の3足がこれまでの現役シューズ。いつもはこの3足をローテーションで回している。ここから1足はずすとなると右から2番目のやつだな。これは実はなかでは一番新しいのだけれど今ひとつぼくにはあわなかった。ソールが薄くて脚力ある人には蹴りが効いていいのだろうけれど、ぼくの力では足に負担がかかり過ぎる。これを整理するか。左上のかなりくたびれているやつは中では一番のお気に入りで、今でも大事な場面で履く。いってみれば勝負シューズ。今週末のしまなみにも持っていくつもり。下段は現役引退して普段履きにしてるもの。これもいくつか整理だな。こうしてみると職場キープのを含めて8足あるシューズのうちナイキが6足でアディダスが2足。特にこだわってはいないのだけれど、履き比べて選ぶとこういう結果になった。相性なのかもしれない。
 もちろん走るのはぼくであってシューズではない。いくら勝負シューズ履いたって所詮は自分の勝負なんだよな、さてどうなるんだろ。

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 今日のランニング。20.3 km/135 min。今月の累計距離 251.1 km。

2011年5月28日 (土)

粗放農業

 午前中はおだやかな好天。市内の大半の小学校は今日が運動会で、朝6時にパンパーンと花火が上がっていた。風もなく運動会には絶好の日和で何より。うちはとっくに小学校とは縁が切れているので、好天を幸い庭の狭い畑に種まきと苗植えをした。
 ぼくは自分の嫌いなものはつくらないので毎年植えるものはほとんど決まっていて、トマト、ピーマン、スナップエンドウ、インゲン、小松菜、大根菜、というところ。特にこだわりはないので、苗はいつも近所のホームセンターで80円の一番安いやつを買ってくる。植えてしまったら、支柱を立てたり脇芽を摘んだりするていどでほとんどほったらかしだ。そのうち雑草だらけになって畑だか草地だかわからなくなったら、しかたなく除草くらいはするけど。
 もちろん農学部の人がみんな農業のプロで作物栽培に詳しいわけではないのだけれど、世間では時折そう思う人がいるので、とても農学部の教員やってますなどとは恥しくて言えやしない。ただ、ぼくの育った研究室ではトマトやテンサイの連作障害の研究をやっていたので、そういうことだけは知っていて、ちゃんと植え付け場所のローテーションを考えてはいる。
 このていどの放漫菜園でもそこそこ収穫はあって家族2人で消費するには十分なのだから、地の恵みというのはありがたいものだと思う。よしよし、午後からは雨になった。これで水撒きしなくてすんだぞ(笑)。
 今日のランニング。10.1 km/67 min。今月の累計距離 230.8 km。

2011年5月27日 (金)

どっちもどっち

 例の右上6番で午後から歯科へ。診察してもらったところ、歯は抜けたのではなくて折れたのだった。確かに舌で触れるとザラザラしている。そうだったのか。というわけで、歯根がまだ残っているのでそれを摘出しなければならない。う~ん、またあの残根鉗子のお世話になるのかぁ。
 では次回に、と言われてはたと困った。来週末はウルトラを走るのだ。その直前に抜根なんかして大丈夫だろうか。抜歯後は激しい運動は禁止だったはず。傷口がふさがらないうちにあんな大イベントして体力低下して化膿したり出血したりしたらいやだなあ。
 事情を話して、どんなもんでしょうねと先生に聞いたら、100キロ走るってどれくらいのものなのか想像がつかないのでなんとも言えませんね、という当然至極の回答。まあ普通の人が経験するようなまっとうなことではないからな。結局、危ない橋は渡らないことにして、抜根はレース後の再来週にすることにした。それにしても一部残っている根の周囲が化膿したりすることもあるので、何か異常があったらすぐ来てくださいと。ならばそのまま先送りしても、ウルトラみたいな常識外れの運動したら痛みだしたりすることもあるかも。まさに前門の虎後門の狼ではないか。
 いずれにしても、こんな微妙な時期に歯が割れたのがそもそもの不運でトホホだけど、まあこうなったら先のことを考えても仕方ない。なるようになるだろう、なるにちがいない、ぜったいなるさ(笑)。

2011年5月26日 (木)

チョークホルダー

 ぼくはchalk talk大好き教師なのでチョークの使用量が多い。先日自分用にキープしていた白チョークの大箱72本を使い切ってしまい、買いに行きそびれたまま教室備え付けのちびたチョークでしのいでいたら、昨日気のきいた学生が買ってきてくれた。ありがとう、これで安心。
 チョークというと思い出すのが、「博士が愛した数式」の映画の中で吉岡秀隆演じるルート先生が数学の授業で使っていたチョークホルダー。あれがずっと気になっていてたまたまwebで調べてみたところ、同じことを考えた人がちゃんといて、天神チョークホルダーという製品だとわかった。その人は東急ハンズで購入したというので、今日出向いてみたものの残念ながら札幌店にはおいてなかった。
 ハンズにあったチョークホルダーは2種で、3本の爪で単純につかむタイプのと、シャープペンシルみたいなノック式でチョークが繰り出されるメカのやつ。ルート先生のようなシンプルなのがほしかったのだけれどしょうがない。せっかく遠いハンズまで出向いたのだからとノック式のを買ってきた。シャーペンの芯と違ってチョーク本体を送りだす大がかりな仕組みなので、ノック感がかなり機械的でカチャカチャやっているとすぐに壊れそう。1050円もするのだからちっとは長持ちしてくれないと困るな。明日朝一の講義で使ってみよっと。
 ちなみに、原作にはない映画の中のルート先生の授業風景はなかなか堂に入ってうまく、同業者から見ても感心した。卓抜な演出家がついているのだろう。ネット上でも話し方や黒板の書き方がうまいという評が散見される。こうしてみると教師も悪くないじゃないかと思う。ぼくも講義するのは好きなほう。緊張はするけどね(笑)。

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 今日のランニング。6.0 km/39 min。今月の累計距離 220.7 km。

2011年5月25日 (水)

「変身」

★★★★☆。
 ほんとうに東野圭吾という作家は達者だなと思う。あれだけの数の作品とそのバラエティの豊富さには感心する。ぼくが読んだのはそのごく一部だが、まずは水準作かそれ以上。大したものだ。
 これはなんというジャンルなのかな。サスペンスだろうか。事故で失った脳の一部に他人の脳を移植された主人公成瀬純一が、徐々に移植脳の性格に取って代わられてもとの自己を失っていくという恐ろしいストーリーだ。科学的にこういう移植が可能だとは思えないし、仮に大多数の神経細胞間の接続がうまくいって機能的に元の脳と移植脳が齟齬なく働けるようになったとして、性格のような微妙な部分で脳同士のせめぎあいみたいなことが起こるものかどうか。そうかSFなのか。
 成瀬が有無を言わせずこういう実験材料として選ばれたというのは、そうしなければ命が助からなかったという前提があるにせよ、個人の尊厳をあまりに無視したやり方なのはもちろんだ。人間的な生き方、どんなささやかなものであっても、その人にはその人の生活があり、周囲の人とのかかわりがある。その象徴が純一の恋人葉村恵だろう。その一途な献身こそが、成瀬が成瀬の脳で考えて決めた最後の最後の結末の大きな要因となっている。愛は勝つ、まさにこれは薄倖な恋人たちへの神の祝福の物語でもある。しかしそれがおのれの命と引換えでしか実現できなかったところがとてつもなく悲しい。

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 今日のランニング。8.4 km/49 min。今月の累計距離 214.7 km。

2011年5月24日 (火)

右上6番

 ぼくの唯一?のウィークポイントは消化器系と書いたばかりなのに、もう一つ肝心なものを思い出させられた。それは歯。歯は弱いんだよね。ひょっとして歯も消化器の一部なのかな。前にも書いたように、この歳で親知らず以外28本そろっているべき歯がすでに右下7番と左下6,7番の3本が欠けていて、義歯がはいっている。なので自分の歯は25本しかない。たまたま今日の朝日の朝刊の特集記事に50代前半での平均残存歯数は24.8本と書いてあったけれど、ぼくが平均以上とはにわかに信じがたい。その貴重な歯がまた1本減ってこんどこそ平均以下になった。
 朝、朝食のパンを食べていると、ポロリと歯が脱落。いつもの義歯の破壊のパリンという感じとは違うのであれれと思って吐き出してみると、見事に臼歯が1本とれている。3本あるはずの歯根が2本しかなく黒ずんでいて根から死んでいる。ああ右上6番だとすぐわかり、舌で触れてみるとポッカリ穴があいている。とうとう来るべき日が来たか。
 発端はちょうど3年前の5月。この右上の第一大臼歯。3本ある歯根のうち1本が割れていてそこから菌がはいって化膿していたので、その割れている根だけを摘出するという処置をした。歯根を1本だけなんてどうやって取るのかというと、被せてある歯冠を外した後、歯の内部からそこだけ削って摘み出すのだ。残りの2本の歯根はそのままなので、後はまた歯冠を被せるとその歯は残った歯根だけで支えられることになる。素人考えでもそんな綱渡りの処置で長続きするとは思えなかったが、早いものでそれから丸3年が経った。ずいぶん頑張ったものだ。確かに2本だけ根がついて抜けた歯を目の当たりにして、本当にご苦労さまでしたとねぎらってやりたい気分。
 さっそく歯科に電話して治療の予約を入れた。上顎は全部そろっていたのになあ。両側の5,7番はなんとか健在なのでまたブリッジということになるのだろうな。

2011年5月23日 (月)

あと5.6キロ

 年次休暇。昨夜は洞爺湖温泉で不完全燃焼気味の疲れを癒し、今日は車であちこち寄り道しながら帰ってきた。
 帰ってデータ整理。それにしても34キロまでほとんどペースが落ちないなんてでき過ぎのレースだったな、と思い出すと口惜しいのでもう考えるのはよそう。それよりも走行距離が10キロ近く短くなってしまったのは誤算だった。というのも来週のウルトラを走る前提として月間300キロ走は絶対に達成しておこうというのがひそかな目標だったのだ。雪が残って寒い4月初旬はまだ長距離走りにくいし、さりとて5月末まで走り込んでいると6月初めのレースに差し支えるので、それが達成できるとすると4月中旬から5月中旬の変則1ヶ月しかチャンスはない。この洞爺湖マラソンの42.2キロを最後の長距離走とすると4月23日からの1ヶ月ということになる。
 今日計算してみたら、この1ヶ月の実走行距離は278.5キロ。エアロバイク漕いだ分を消費カロリーからランニングに換算すると15.9キロ。足すと294.4キロ。惜しいところだった。昨日8.3キロ走り足りなかったぶん300キロには届かなかった。まあ、GWの出だしに風邪引いて走れなかったことも考慮すれば、まずまず頑張ったなとはいえるかも。

2011年5月22日 (日)

好事魔多し

 今日は洞爺湖マラソン。風もなくおだやかな天候、体調もいいし、ぼくにしては冬の間から走り込み続けていたし、朝御飯はちゃんと二膳分食べたし、万全のコンディションでいいレースできそうな予感バリバリだったのに。
 長年マラソン走ってるけど、こういうこともあるんだねえ。スタート地点に並んでいたら、未明にコース上で崖崩れがあったので、20キロ地点でレースは打ち切り、バスでスタート地点へもどる、というアナウンス。なに〜!フルマラソン走るつもりが20キロレースになってしまったよ。20キロなら何も洞爺湖くんだりまで来なくても、家の近所を走っても変わらないじゃん。まいったなあ。それにここでタイム出しとかないと、来年の北海道マラソン出場資格の持ちタイムがなくなってしまう。まあそれは今年の北海道マラソン完走すればいい話ではあるのだけど、こりゃ背水の陣になるんだな。
 気を取り直してスタート。走り出して20キロまでスタートのロスタイムを除くとほぼキロ5分40秒ペース。20キロ地点からは収容バスのピストン輸送が全然追いつかないので、大半のランナーは来た道を走って戻っている。全然走り足りないぼくも当然自力でもどってきた。復路は6分10秒ペースで、トータル33.9キロを3時間19分という結果だった。さてここで皮算用をすると、まだまだ脚は大丈夫だったので、残り8.3キロを同じペースで走ったとして、マラソンのゴールタイムは4時間10分。う〜ん近来ない好タイムだったなあ。惜しいことをした。
 でもそんな快走してしまったら、もうちょっとで4時間切れるぞなどと色気出して実力以上に無理して脚傷めたりしたかもしれない。ぼくとしては来週末のウルトラが本番なので、ここで故障しては元も子もないのだ。神様がブレーキをかけてくれたのだと思っておこう(笑)。

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 20キロの打ち切り地点。
 今日のランニング。33.9 km/199 min。今月の累計距離 206.3 km。

2011年5月21日 (土)

学術書電子化プロジェクト

 世は電子書籍ブーム。慶応大に「学術書電子化実験プロジェクト」なるものがあり、学術書の電子図書館化の試行をはじめているそうだ。。今の学生は本を買わないので学術書は売れなくなる一方だし、そのために部数減、高額化という悪循環をたどっている。電子書籍化して気軽かつ安価に提供されれば、本離れに歯止めがかかるかもしれない。
 化学同人から「ビギナーズ有機構造解析」をこの実験プロジェクトに電子化して提供したいのだが、という許可願いが送られてきた。どういう理由で拙著が選ばれたものやらわからないが、おもしろそうなのでぜひ参加したいと思う。ただ、上記プロジェクトは学内限定のようなので、ぼくの授業を受ける学生が教科書買うかわりに試験的にダウンロードして、ということはできそうもないのは残念。東大など他大学でも同様の試みが検討されているようなので、将来的にはオープンソース化とまではいかなくても、教科書が電子化されて学生は携帯端末だけを持ち歩けばいいようになるかもしれない。
 授業中に学生がみんなiPad画面を操作している、なんてのは近未来というよりすぐそこの光景なのかもしれないな。願わくは、その画面には漫画とかゲームとかtwitterとかではなくてちゃんと教科書のページが映っていますように(笑)。

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2011年5月20日 (金)

「グレイヴディッガー」

★★★★★。
 骨髄ドナーとしての適合患者への移植手術目前にして殺人事件に巻き込まれ、よんどころない事情から警察に捕まるわけにはいかず、捜査の手を逃げ回りながらなんとか骨髄採取する病院へたどりつかねばならない。そのうえ、なぜか自分をつけねらう別の一団がいて警察とは別に追手をかけられる。コースは東京都北区赤羽から大田区六郷土手までの都内縦断。電車に乗ればほぼ一直線だが、そうはいかずに紆余曲折しながら絶体絶命のスリルあふれる逃走劇が本書の主題だ。
 逃走劇そのものは、捕まりそうになっては辛くも逃げるという胃の痛くなるようなぎりぎりの攻防の連続で、そのスピード感あふれるサスペンス性だけでも十分楽しめるが、事情を複雑にするような中世の怪奇伝説を模した奇怪な連続殺人とか、逃亡者の骨髄を独自に狙う宗教集団とそれをさらにつけねらう謎の墓掘人(グレイヴディッガー)の存在とか、はたまた警察内部の刑事部と公安部の軋轢とか、とにかくめちゃくちゃに錯綜した背景が話を複雑にしている。誰と誰が味方なのか敵なのか落ち着いて考えないとわからなくなる。このへん、こんなにてんこ盛りにしないでもう少し整理して分かりやすくした方がよかったのではと思わないでもない。だけど、登場人物がみんな意外性を持った役回りで活躍し最後の結末へ収束してゆく力技はすごい。あまりにもつくりものめいた設定といえばそれまでだけど、これはこれでエンターテインメントとしては一級品だと思う。
 エンディングもめでたしめでたしに近いので読後感も悪くない。ただ、大森南診療所での墓掘人の最期があまりに惜しい。なんで意を遂げさせてやらなかったのだろう。あとひとつ細かいことだけど、ドナー登録は満55歳までの年齢制限があるので58歳の被害者はありえない。ぼくも一昨年登録解除されたので(笑)。

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2011年5月19日 (木)

ジンギスカン

 道外のお客さんが来てサッポロビール園で夕食。地元に住んでいるとかえってわざわざ来る機会はあまりなく、ここへ来るのは2006年11月の学会懇親会の時以来だから4年半ぶりだ。
 ビール園といえばジンギスカンなのだが、どうも様子がおかしい。電磁調理器のようなプレートに平らな鍋が載っていて、その周囲から煙がじかに吸引される仕組みになっている。なんか今風の焼肉屋を思わせる。メニューも、もみ生ラム醤油と塩とかいう面妖な肉が小ぎれいな皿に出てきて面食らう。生肉ジンギスカンはトレンドなのだろうし、ぼくもあちこちで食べていて一概に悪いとは思わないけれど、それがビール園ででてくるというのはちょっと別問題だ。
 ジンギスカンは、やはり凸型のナベで円形に圧縮したラム肉の薄切り円盤を載せて焼き、ベルのジンタレ(あ、これはビール園では無理か)で食べるのでなければ気分がでないよ。こんなのはジンギスカンじゃねぇ~、せっかくの生ビールの旨さが泣いているだろう、とかいいながらジョッキを5杯も飲んでしまったのだけれど(笑)。しかし、もう昔ながらのジンギスカンは大学構内でのジンパでしか味わえないのだろうか。

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2011年5月18日 (水)

勝てない勝

 洒落をいっている場合じゃない。ファイターズの武田勝投手が昨夜のヤクルト戦で0-2の敗戦を喫し、これで登板する4試合連続の完封負け。自分の投げる試合で頼みの味方が36イニング無得点が続いている。なんとパリーグでは初、両リーグ通じても55年ぶりの珍記録だそうで、web記事には「孤立無援・武田勝の悲運の物語」などと書かれている。かわいそうとしか言いようがない。ファイターズは今シーズン打撃好調でチーム打率はリーグトップなのに。
 本人の調子が悪いわけではなく、というか調子はいいのであって、4試合での自責点はたったの7点。味方が平均2点とってくれていれば4連勝してもいい計算なのに4連敗。開幕から6試合に登板して2勝4敗で防御率1.76は唐川、杉内、田中、岩隈に次いで堂々リーグ5位の成績なのにだ。
 こういう巡り合わせもあるんだなあ。本人は、「今は我慢です。意識しすぎても自分が苦しいだけ。相手の投手もいることなので(勝敗は)我慢比べですから。体のケアをして、次を見据えます」とのこと。立派すぎる。カッコよすぎるだろう。まったく爪の垢でももらいたいよ(笑)。次の試合はもう全力全霊で応援したくなる。

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 今日のランニング。5.5 km/33 min。今月の累計距離 172.4 km。

2011年5月17日 (火)

「我、言挙げす」

★★★★☆。
 髪結い伊三次捕物余話ももう8作目。ますます快調という感じ。伊三次の親分である町方同心不破友之進の息子で番方若同心になった不破龍之進が物語の主役格となって活躍する。その初々しい感性が作品の大きな魅力だ。なんていうのはこっちがトシとったということなのか(笑)。
 「委細かまわず」の謎の上役小早川への澄んだ眼と評価、「黒い振袖」の井川藩かがり姫への純心と淡い慕情、「我、言挙げす」の精右衛門の正義への共感、いずれをとっても清廉直情の若者ぶりが表れていて好もしい。
 前にwebmaster日記(2009.10.12)に書いたけど、シリーズ第6作「君を乗せる舟」の中の名セリフ、思いを寄せる娘あぐりが祝言に向かう舟を見送っての「私は舟になりたいと思いました」にはほんとに泣かされた。トシは取りたくない、いやトシはとってもずっとこういう感性を持ち続けていたい、とつくづく思う。
 あ、もちろん伊三次とお文の夫婦に一粒種伊与太は健在で、そっちが主体の物語もこれまで通り。中には「明烏」みたいな珍しい異界譚もあって、趣向が凝らされている。
 と、ほめておいて一つ苦言。著者による「文庫のためのあとがき」、これは蛇足以下だったね。web上の書評への感想なのだが、「アホかいな」はいくら筆が滑ったとはいえ、プロの書き手が読者に対する言葉としては不穏当だろう。思うのは自由だが印刷紙面に載ることの意味がわからぬトシでもなかろうに。

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 日中は暖かかったけど、日が落ちるとさすがに空気が凛と引き締まる感じ。そんな中を半袖で走るのは爽快。やっとこんな季節になったか。おりしも今夜は満月。黄橙色の大きな月が東の低空にぽっかり浮かんでいてそれは幻想的な眺め。もっとずっとこのまま月を眺めて走っていたい。
 今日のランニング。7.2 km/43 min。今月の累計距離 166.9 km。

2011年5月16日 (月)

ワンジル死す

 なんとまあびっくり。北京マラソンの金メダリスト、押しも押されもしないトップランナーのワンジル(ケニア)が自宅のバルコニーから転落死のニュース。まだ24歳。ゲブレシラシエの世界記録を塗り変える最有力選手の1人だったのに。
 ワンジルといえば、仙台育英高からトヨタ自動車九州にはいって、高校駅伝、実業団駅伝で活躍するなど日本でもよく知られていて特になじみ深い選手だ。マラソン転向後は7戦5勝と圧倒的な戦績を残している。
 事故死か自殺かなど詳細は不明らしいが、自宅で他の女性といるところを妻に見つかり口論の後2階バルコニーから転落した、ということらしい。故意かどうかは別としてもたった2階から転落死とは不運だ。女性関係以外にも銃不法所持で起訴されたり、交通事故による負傷や膝の故障などもあって、最近はストレスが重なっていたのは事実らしい。
 まあねえ、マラソン選手は人一倍精神的にタフじゃないと務まらないだろうから単なる事故なのだろうとは思うけど、傍目から見るだけでは人の心の奥底はわからない。いずれにしても惜しみても余りある。ご冥福を祈ります。

2011年5月15日 (日)

新しい道

 5月も半ばだというのに寒い日が続く。今日も最高気温は10℃に届かず平年より8度も低い。遅れていた桜がこの週末には満開になったのだけれど、これでは花見という気分ではないだろう。
 とはいっても、季節はどんどん進むので手をこまねいているわけにはいかない。今日は、冷たい風に吹かれながらやっと猫の額ほどの庭の畑に石灰と肥料を撒いて畑起こしをした。例年ならもう種まきや苗ものを移植する時期なのだけど、今年はまだまだだ。
 それでも陽が出ているだけ昨日よりはよほどマシ。午後からは風がいくぶんおさまったので日なたでは体感温度が大分違う。昨日とほぼ同じコースを走りに出る。前から気になっていた当別川沿いの河畔路をたどってみたらこれがなかなかの道で快適だった。国道337号線の札幌大橋東詰を右折して本庄陸男石狩川文学碑前を通り、学園都市線をアンダーパスしてあとはずっと石狩川から支流の当別川沿いの河畔路を東上するルート。堤防上の舗装路でほとんど車も通らず快適。新設された南5線新橋までは気持ちのいい道が続く。今日はここから左岸へ渡って対岸を十九線橋までもどり、右岸にもどって往路を帰ってきた。うちからだと往復して約20キロのちょうどいいジョグコースだ。
 行きは正面遠くに残雪の夕張山系、芦別山系が圧倒的な迫力で眺められるし、進行左手奥には純白の暑寒別連山がとてもきれい。吹きさらしの堤防上で風が強いのが難点だけど、走ってよし、自転車でもよしのおすすめコースだ。お近くへお寄りの際はぜひどうぞ。あ、ただし堤防路は一般車通行禁止なのでクルマはご遠慮ください。

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 今日のランニング。20.2 km/139 min。今月の累計距離 159.7 km。

2011年5月14日 (土)

50000アクセス

 このブログも昨年元旦の正式公開開始から約500日で50000アクセスに到達しました。みなさまのご愛顧に心より感謝申し上げます。
 グラフを細かく見ると、この3月中旬に一時的にアクセス数が上昇しているのは、震災での学会中止のエントリのためのものだ。こんな大ざっぱなグラフでも読みとれるというのもすごい。500日というと約1年4.5ヶ月か。20000アクセスというエントリを書いたのが昨年9月26日だった。このペースだと10万アクセスになるのは2012年9月くらい。100万アクセスは2037年6月か。ぼくは82歳だな、まだ続いているかな。それまで延々と読み続けてくれた方、ぜひコメントしてくださいね(笑)。

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 今日はまた冷たい風が強く、吹きっさらしの太美の平原で難儀した。15時の気温8.1℃。最大瞬間風速15:06に北西の風12.6m。5月半ばにしてこれだもんなあ。ランニングの世界には「向かい風は天からの贈り物」という言葉があるけれど、神様の親切が今年はきつすぎるって。
 今日のランニング。20.1 km/133 min。今月の累計距離 139.5 km。

2011年5月13日 (金)

「いっしん虎徹」

★★★☆☆。
 虎徹好きなのだろうな、この作者。前回読んだ「千両花嫁」にも近藤勇が虎徹を求めるシーンが象徴的にでてくる。これはまた何というか、鉄を打って刀にするというそれだけの話が延々と500ページも綴られてゆく。おまけに巻末に刃紋と特徴とか銘の変遷とかの図入りだ。文庫本でここまで凝るかという感じ。
 鉄の良し悪しの吟味からそれを刀剣に加工するまでの工程が、これでもかこれでもかというばかりに詳細に語られる。いくつかのサイドストーリーというかエピソードがそれにからまって物語を構成しているのだが、それらはすべて虎徹こと長曽祢興里の刀鍛冶の出来具合いに集約される。それだけの単純な話なのだ。
 だがしかし。単なる鉄、されど鉄。精密な分析機器があるでもない時代に、経験と勘だけを頼りにどんな精密機器よりも確かに鉄の性質を知悉し鍛え上げた工人がいたかという、これは類い稀な物語でもある。出来上がった刀の品質表示に、人体を何人積み重ねてスッパリ切れたかという尺度が用いられ、それが刀剣の価値を示すお墨付きだったなどというのも鬼気迫る話ではある。

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2011年5月12日 (木)

トイレットペーパー

 JR北海道が6月中旬までに有人駅すべてにトイレットペーパー設置。これは久々のビッグニュースだなあ。ぼくの身体的弱点はというと、頭と顔を棚にあげると何といっても消化器。ふだんから食べ過ぎたり飲み過ぎたりするとすぐに下痢するし、緊張する場面や大事な仕事の直前などにそわそわとトイレに通ったりと、IBS(過敏性大腸症候群)の傾向がある。朝の講義の直前に出勤して講義室に駆け込むなどという芸当は絶対無理。少なくとも30分は早く行って体調(腹調?)を整えてからでないと緊張する講義は乗りきれない。
 なので外出先でのトイレの確保は常に重要課題であり、ふだんの行動範囲の公共トイレの位置や様態は熟知している。通勤経路のJR駅などは最たるもので、なかでも朝の桑園駅はお世話になる頻度がかなり高い。その札幌圏のJR駅トイレにトレペがないのが不満のひとつだった。列車内のトイレには通勤車両でもちゃんとペーパーがついているのにだ。もちろんこういう欠陥体質だからティッシュペーパーの携行は必須で、財布やハンカチ忘れてもティッシュは絶対持ち歩いているから、駅のトイレでも困ることはないのだけれど、それでもトイレに常備されているのとないのとでは安心感が違う。ちなみに桑園駅には隣接した東側と西側の高架下にそれぞれイーストプラザとウエストプラザという小ぶりな飲食街があり、そこにあるトイレにはこれまでもちゃんとペーパーが常備されている。個室はそれぞれ1個しかないけれど、駅のトイレより占拠率が低いので、ぼくはそちらを利用することも多いのだけど。
 それはともかく、「設置が12日の桑園駅を皮切りに」というのが格別うれしいな。別にぼくが個人的に要望出したわけじゃないんだけど。これで朝の寄り道が少し快適になる(笑)。
 今日のランニング。6.1 km/35 min。今月の累計距離 119.4 km。

2011年5月11日 (水)

英語講義

 今日は大学院の英語講義。うちには留学生用の英語コースがあるので関連講義はすべて英語でやらねばならない。日本人院生向けにも同じ講義があるけれど、同じ内容を別々に英語と日本語で分けてやるのは面倒なので、ひとまとめにして英語でやってしまう。例年はそれでも留学生が5人くらいはいるのだが、なぜか今年は少なく33人の受講生中たった2人だった。2人だけのために他の日本人31人を巻き添えにしてへたくそな英語の講義を聴かせるというのもなんか釈然としないが、制度上はいたしかたない。
 いつも思うのだけど、英語の苦手なぼくは外国人相手にしゃべるのはヘタで当たり前だからあまり抵抗ないのだけれど、日本人相手に英語をしゃべるのはすごく恥しい。今日も見渡してもほぼ日本人ばかりに見える学生相手にしゃべり続けるのは結構プレッシャーだった。以前は、こういうときに日本語と英語を半分ずつしゃべっていたこともあったけれど、同じ内容を英語と日本語で繰り返すのはなんとんなく重複感があって無駄だし、瞬時に頭を切り替えるのがついていかなくて立ち往生したりしたこともあり、結局英語オンリーにしてしまった。開き直ればこの方がラクではある。ともあれ、来週この続きがもう一回あるのでご辛抱ください(笑)。
 今日のランニング。8.6 km/52 min。今月の累計距離 113.3 km。

2011年5月10日 (火)

青空工作員

 そういえば、GW終盤の土曜日に青空文庫世話人?の1人である富田倫生さんからメールをいただいた。説明の要もないだろうが、青空文庫は没後50年経過し著作権切れになった作家の作品や著作権が放棄された作品を無料で公開しているサイトで、作品のテキスト入力と校正は青空工作員という名のボランティアが担当している。
 ぼくもずいぶん昔に工作員の1人に名を連ねて、宮沢賢治の「文語詩稿五十篇」と「文語詩稿一百篇」を入力したことがあり、そのファイルはすでに公開されている。賢治の詩といえば「春と修羅」があまりに有名なのだが、ぼくはこの文語詩稿が大好きなのだ。たとえば「五十篇」に収載されている「流氷」のみずみずしい抒情。こんな季節がぼくにもあったのだよなあ(遠い目...)。
 それはともかく、突然のメールの内容は、同じ底本に収載されていてやはり入力して送付してあった「文語詩未定稿」の公開方法についての説明だった。なんでも未定稿は著者の没後に別の人が底本(この場合は全集)に収載するときに配列したものなので、そのときの編集著作権が生じており、そのままの公開には問題があるかもしれない、ということだ。そこで、編集著作権侵害を防ぐために、一旦各作品をバラバラにして再構成したものを分割して公開するという方針にしたいという。
 ぼくがテキストを送ったのは2002年秋のもう8年半も前のことで、もうほとんど忘れてしまっていた。当の本人は忘れてしまっても、受入れ側はちゃんとこうして善後策を検討していてくれたのだ。細かいことのようだけど、青空文庫そのものが著作権フリーの作品公開で成り立っている以上は、こういうきちんとした取り扱いに手を抜くわけにはいかないのだなと、今さらながら感心したことだった。

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2011年5月 9日 (月)

「死神の精度」

★★★☆☆。
 短編集は難しいものだ。伊坂幸太郎も前回の「チルドレン」に続いてこれを読むとそう思う。「オーデュボンの祈り」や「ラッシュライフ」にしても、全体が短いエピソードの積み重ねからできているから、連作短編とそう構造的に変わらない気もするけれど、やはり根本的に違うんだよな。それぞれの各短篇間の連鎖が希薄になるほど奥行きが少なくなり、かといって独立した短篇として評価できるほど成熟していないというか、悪くいえば中途半端。
 本書は、千葉という名の死神が与えられたターゲットの調査を行い、「可」か「見送り」かの判断を下すというもの。相手がそれぞれ抱えている事件に千葉が巻き込まれての意外な結末や、その中での千葉と相手の今ひとつかみあわない会話を楽しむ、といった体裁になっている。6編のうち前半ははっきりいってあまり感心しない。吹雪の山荘ものなど、なんでこんなところにもってきたのだろうと違和感ありまくり。でも、後半3作はわりといい。「恋愛で死神」はぼく好みで泣かせるし、ラストの「死神対老女」での作品間リンク回収も気が効いている。ここでこういう結末をもってくるのなら、もう少し他の作品に共通する伏線を張りめぐらせて連作感を強調できなかったものかと思ってしまう。なんて高望みするのもこの作者ならではの特質を買っているからなのだけど。

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2011年5月 8日 (日)

若武者対決

 NHK杯テレビ将棋トーナメント。今日の対局は一回戦屈指の好カード、佐藤天彦六段対豊島将之六段戦。う~ん、こんなに早く当たるのはもったいないくらいの顔合わせ。佐藤は23歳、2010年度35勝9敗(勝率0.795)で勝率第一位、対する豊島は21歳、2009年度45勝14敗(勝率0.763)で勝率第一位。誰もが認める若手実力者同士の対局だ。将棋は相がかり模様の力戦になって豊島が勝ったけど、手に汗握る熱戦だった。
 おりしも名人戦では羽生と森内が熱戦を繰り広げているが、若い若いと思っていた彼らももう40代。その次の世代である渡辺竜王よりもさらに若い世代がこうしてどんどん台頭してきている。若いというのはそれだけでひとつの大きな力なのだとつくづく思う。56歳のおじさんにはまばゆいばかりだ。だけど、その若さの力を眠らせたままでいたずらに浪費している人もまた多いんだよね。まさに歯がみするばかり。こんなおじさん(オジいサン?)になってから気づいても遅いのにね。そう、あなたのことですよ。

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 今日のランニング。32.1 km/219 min。今月の累計距離 104.7 km。

2011年5月 7日 (土)

今年こそ

 恒例?のゴールデンウィークファイターズ観戦。ここのところ見に行く試合負け続けているので、明日の斎藤佑樹登板試合はちょっと遠慮して今日にした、わけではない(笑)。ソフトバンク戦先発はケッペルと杉内。相手が悪いような気もしたけれど、杉内も今シーズンはちょっと結果でてないしな。
 試合が始まってたて続けにケッペルが打たれてたちまち2-0に。対する杉内は好調でまったく手が出ない。う、悪い予感が...、と思ったところへ中田の一振りが。ツーランでたちまち同点。その後に二岡の勝ち越しソロが出て、ほとんど打てていなかった杉内から2本のホームランで3X-2の逆転勝ち。最後は増井~武田久の勝利の方程式での抑えも見られて、いやあなんかこんな勝ち試合はまさに久々に見たなという感じ。とにかく「見ると負け」のジンクスが打ち破れてめでたい日だった。今年はいいことありそうな...。

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2011年5月 6日 (金)

「オジいサン」

★★★★☆。
 なんとも不思議な小説だ。老人小説なのだそうだ。とすればぼくが読むべき小説ということになるから、読んで感心したとて何の不思議もない。いやでもやっぱり不思議な小説だ。
 タイトルからして「オジいサン」。この真ん中のひらがなの「い」にこだわりがあるのであって、断じて「オジイサン」ではない、と主人公の益子徳一は言う。小説全体がこの独居老人の日常生活、公園に行ったり、スーパーで買い物したり、自炊したり、近所の人と話したり、を綴っただけのもの。ほとんど起伏もない。それでいて、言うに言われぬおかしみがある。徳一じいさん、ではないオジいサンのこだわりがあちこちにみられて、単なる日常風景の奥行きになっている。こんなじいさんに自分もなりそうだ、というような親近感がある。最後の田中電気の二代目に「じゃあ、オジいサンでもいいです」と言われたシーン。“―そ。その発音だよ田中電気。それが正しい発音だ。” 思わず膝を叩いて喜びたくなる気持ちが伝わってくる。
 この著者には余芸というべきものだろうが、ぼくは「幽談」やら「冥談」やらより気に入った。ぜひ続編を読みたい。

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2011年5月 5日 (木)

ミズバショウ

 今日は晴天。ぼくの連休は残念ながら今日でお終い。昨日で一区切りの40キロランは終わったのだけれど、せっかくの天気なので午後から再度の3時間走とする。天気はまずまずだけど気温が11℃で風もそこそこあるので長袖ジャージ上下に帽子手袋装備。だけど久々にいい気持ち。青空の広がる太美の平原は心地よく、無心に足を運んでいると、何もかも屈託を忘れる。
 あいの里公園のミズバショウがちょうど見ごろ。例年より2週間は遅い気がするけど。

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 今日のランニング。30.2 km/198 min。今月の累計距離 72.6 km。

2011年5月 4日 (水)

下方修正

 今年のゴールデンウィークは天気が悪く、寒い。今日も朝から冷たい雨で最高気温は6.8℃と平年より10度近くも低かった。大型連休を地域でずらしてはどうかという案があったけど、こうなるとあながち悪いアイディアでもないかもという気にすらなる。おまけに個人的なことをいえば不覚にも連休の入り口に体調を崩したので、最初の2日間はほぼ寝て過ごした。まだましな天気だっただけにもったいない。その後2日雨、昨日はやっと晴れたのでなんとか30キロ走をして今日は雨上がりに仕上げの10キロ。連休中の目標は150キロなどと大風呂敷を広げたものの、こんなでは大幅な下方修正をしなければならない。予定が狂うのは痛いうえに自己管理不足と天気が原因では誰を恨むわけにもいかない。
 雨に降りこめられている間に、たまっていたランナーズ誌を読んだ。なんとなく惰性で定期購読しているもののこの頃はあまり熱心に読まずに積んである。大会情報などは今ではネットで得られるし、十年一日の特集記事もどうもあまり科学的でない気がしてほとんど興味を惹かれない。が、今年の1月号に「絶対必要3時間走」とあるのはちょっと納得。練習で2時間走るのは普通だけど、3時間となると実際かなり気合いがいる。結構体にダメージもかかる。これくらいやらないとマラソンのトレーニングには不足だよなという気になる。気になるだけでちっとも科学的ではないのだけれど。記事によれば、30キロ3時間走った翌日は残りの10キロを走って完結させるといいのだそうだ。2日間かけて無理に距離あわせすることに意味があるのかと思いながらも、そんなこんなで今日は12キロ走ってしまった。う~む、安田美沙子に誑かされたわけではないが、ちゃんと術中にハマっているではないか(笑)。

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 今日のランニング。12.4 km/84 min。今月の累計距離 42.4 km。

2011年5月 3日 (火)

「名残り火」

★★★★★★。
 え、星が一つ多い?、そんなことに文句がある人はとにかく本書を読んでからにしてほしい。
 ぼくはこれまで何千冊本を読んだかわからないけれど、どんなに数多くの本を読んだとしても、藤原伊織に巡り合わなかったら、その読書人生は何の価値があるだろうと思う。藤原伊織を読める幸せ、そしてもう読めない悲しみ。それを何といって表現したらいいだろう。遺作とはなんとむごいものか。彼の死の4ヶ月後、2007年9月に刊行された本をすぐに買って、読んでしまうのがもったいなくてもったいなくて、今までじっとしまっておいたのがこれ。もうこれっきりだ。
 この著者の作品に出てくる男は、いや男も女もだ、どうしてこんなにもカッコいいんだろう。「てのひらの闇」の書評に書かれた文章、『「てのひら闇」に出てくる男は皆美しい。呑んだくれでも、エリート社員でも、昔かたぎの極道でも、社会の暗部の泥さらいをしているような敵役でも。それは彼らが皆譲れないものを大切に抱えて生きているからだ。』がすべてを語っている。「テロリストのパラソル」、「ひまわりの祝祭」、「てのひらの闇」、そのどれでもいい、読んだことのある人ならきっとうんうんわかるわかるとうなずくに違いない。彼らの生き方に心を動かされない人がいるとしたら、そんな人とはぼくは永久に他人だとさえ思う。男としていや人間として譲れないもの、ときには法を犯してさえ守らねばならないもの、そのために生きるのでなければ何のための人生か。生きるということは、飯食って糞して寝ることの繰り返しではけっしてない。くっそぉ~オレだって負けないぞ、と生きる勇気が湧いてくる。
 男として、なんていうと怒られるよな。本作の主人公はあの「手のひらの闇」の堀江雅之、そして死んだ盟友柿島隆志。だけど、この物語の最後の壮絶な終幕を演じ切ったのは、ひとりの女性なのだから。心に熱い思いを抱いて生きているのは男も女も変わらないのだろう。ここに登場する三上照和、関根新吉、柿島奈穂子、大原真理、ナミちゃん、それぞれがみんな圧倒的な存在感でそれぞれの人生を生きている。そのひとりに自分も混ぜてほしい、自分の存在もカウントしてほしい、と切に思う。そうでなくて生きる価値などない。

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 今日のランニング。30.0 km/202 min。今月の累計距離 30.0 km。

2011年5月 2日 (月)

スパムメール

 どうした拍子かまた携帯に迷惑メールが届くようになった。ひところたくさん届いて辟易しながらほうっておいたらそのうちぱったりと来なくなったので、いい塩梅だと思っていたらまただ。こういうものにも波があるのだろうか。そういえば、職場のメルアドあてのスパムメールもこのところ途絶えていたのが最近また来出したし。
 どのみち無視して捨てるだけだから大した手間ではないけれど、PCメールはともかく携帯の方はパケホとはいえ受信に料金がかかっているうえにいちいち着メロが鳴るのがうざったい。ぼくのアドレスは単純なアルファベットと数字の組み合わせなので、スパムの標的になりやすいのだろう。以前日に10通以上も届いていたときはメルアド変えようかとまじめに考えたこともあるが、なんでそんな不法行為の回避のためにこっちが慣れ親しんだ名前を変えなきゃならないんだと思いなおしてやめた。
 そういえば、昔はワン切りというのもあったけど、あれは全然来なくなったな。何らかの理由で廃れてしまったのだろうか。あるいはキャリア側の対策が進歩したのか。とりあえず電話帳登録アドレス以外からのメール着信音はサイレントに設定した。なので、変わったアドレスからメールして返事が遅いと思っても、怒らないでくださいね(笑)。

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2011年5月 1日 (日)

鳩サブレー

 東京ばな奈、ナボナ、ごまたまご、人形焼、雷おこし、人によってそれぞれこだわりはあるだろうが、東京のお土産といったら何といってもこれ。正確には鎌倉土産というべきかもしれないけれど、ちゃんと羽田空港売店にだって売っているし。知る人ぞ知るぼくの大好きスイーツのひとつなので、心ある研究室の学生がよく帰省のお土産に買ってきてくれたりする。
 今日は、東京へ出かけていた家人からひとり風邪で寝込んで留守番していたごほうびにもらった(笑)。ところで定番の黄色ではなくこれは見慣れないピンクのパッケージ。春限定なのだろうか。なんにしてもうれしい。さっそくありがたくいただきました。

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