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2012年3月 7日 (水)

「死の扉」

★★★★☆。
 これもまた往年の名作。こういうのが復刻刊行されるのはうれしいことだ。「英国が誇る名探偵、キャロラス・ディーン」などといっても知らなかったのだけど。
 イギリスの片田舎の深夜、強欲で因業な老婆が殺される。たまたま巡回中だった警官が不審に思って家に入り発見したとたんに現場にいた犯人に不意を襲われて死亡、という事件。小さな町ということもあり、嫌われ者だった老婆に対する動機をもつ者ばかり。しかもみながみなそれを隠そうともしない。誰が犯人でもおかしくないとう状況で、そのキャロラス・ディーンなる教師が素人探偵として捜査を開始する。
 最後に明かされる真相は、意外や意外というオーソドックスな本格探偵小説の王道を行くもので、確かにその着想には感心させられた。まあ、行き詰ったらひっくり返して考えるというのは基本ではあるけれどね。直接証拠がないので詭計によって犯人を誘い出すという間一髪のスリルもあり、最後は関係者全員を集めての謎解きという絵に描いたような結末、と多少は古くさいのはしょうがないとしてもまくまとまっていると思う。
 よく読むとちゃんと伏線も張ってあるし、随所にヒントが散りばめられているし、帯にある「フェアプレイで謎解きを」はあながち誇大ではないことがわかる。最近のいいかげんな名ばかりミステリよりはよほどまともだ。ひとつ、かなてこというのが凶器で出てくるのだけれど、これは若い読者にはわかるだろうか。同じものでもバールといえばいかにもの凶器なんだけど。

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