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2012年3月27日 (火)

「玻璃の天」

★★★★☆。
 「街の灯」に続くベッキーさんもの、昭和初期の上流階級のお嬢さんとお抱え運転手が謎解きをする、というシリーズの第二作。やはりぼくにはこの著者は合わないような気がしてきた。前作のときもうすうす感じていたんだけど、なんていうんだろう、上流階級のあれこれが庶民感覚で違和感を感じるとかそういう具体的なことではなく、言葉ではいいえない皮膚感覚みたいなものかもしれない。同じ作者でも「スキップ」にはじまる時と人の三部作は大好きで読んでさんざん泣いたものだが、世評高い円紫ものになるとまるでだめで円紫も私も肌合いが合わない。もちろん作品の責任ではないから、相性の問題なのだろう。
 本編はつながっている短篇が3つ。暗号解題や最後には殺人事件に足跡問題とかが出てきてミステリ風味にはなってはいるが、謎解きそのものは大したことはなく、時代背景とか主人公の花村英子とベッキーさんをめぐるいろいろなやりとりを楽しむべきものだろう。
 これに続くベッキーさんもの最終章が直木賞受賞作ということになる。まあここまでくれば当然それも読むことになるんだろうな。

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