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2012年7月20日 (金)

「百鬼夜行 陽」

★★★★☆。
 百鬼夜行シリーズといっていいのかな2冊目でしかないけれど。今回のは「陽」、前回の「陰」は13年前なのだそうだ。読んだはずだけど、そりゃ覚えてないよな。
 よくある長篇あるいは続き物に対するサイドストーリーというやつ。準主役、脇役級登場人物の出自とかエピソードとかが書かれている。グイン・サーガの外伝とかああいうのも一緒だな。本編に含めちゃうと錯綜するのを切り離したり、あるいは存在感のある脇役を本編だけで消し去るのはもったいなかったり、そういうときに手慰みあるいは埋め草といっちゃ悪いけど、読み切りで書かれるまさにサイドストーリー。
 京極物も息が長く、最近は本筋物の出番が少ないので本書の登場人物なんかもうすっかり忘れられている人ばかり。だから本来の意味での興味はないに等しいのだが、まあそれを離れてもなんとなくおどろおどろした短篇としてはちゃんと作品になっている。このあたりは作者の上手さだろう。だけど10編のほとんどがどれも似たり寄ったり。バラエティには乏しいし、京極ファンであってすら、なんでこんなものを延々と読まされるのだろうとチラと思ってしまう。読みながら、本編の次回作と言われ続けて久しい「鵺の碑」っていつ出るのかなあ、とか。さすがに最終編の榎木津礼二郎くらいの大物になると、おおと思うけどね。これだけは書き下ろしだから、さすがに気が引けた著者のサービスといったところだろうか。半端物ばかりじゃなくてちゃんとしたのを早く書いてよね、京極さんてば(笑)。

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