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2012年7月 2日 (月)

「カラスの親指」

★★★★★。
 文句なし。最高。おもしろい、そしてちょっとかなしい。芸域広いねこの人。こういうドタバタ劇も十分守備範囲なんだ。とにかくおもしろい。こういうのもっともっと書いてほしい。借金地獄からはい上がった2人組の詐欺師、武沢とテツ。この2人の掛け合いがまずおかしい。ん~、どこかで読んだようなと考えるまでもなく、これは「陽気なギャングが地球を回す」の響野と久遠に似ている。しかもこの2人が新たにそれぞれユニークなキャラのまひろ、やひろ、貫太郎を加えて5人で闇金ヤクザ相手にイチかバチかの報復大勝負を挑むというところも陽気なギャングの4人を思わせないでもない。ただしこちらは単なるギャングではなく、もっとずっと手の込んだ頭脳プレイだ。
 そして、最後の最後にアッという大仕掛けが。そうだよな。道尾秀介をいささかなりとも読んでいれば、すんなり終わるはずがないと予想はつく。最後の40ページ。まさに孫悟空とお釈迦様という種明かしなんだけど、この結末にはホロリとさせられる。誰のとはここには書けないけれど、じ~んとやさしさが伝わってくる。こんなにすべてうまく運ぶものかという疑問は野暮というものだろう。これはすべての弱い者への、すべての肩寄せ合って生きる親と子への、とびきりのメルヘンなのだから。

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 今日のランニング。8.2 km/54 min。今月の累計距離 28.2 km。

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