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2012年8月13日 (月)

「風渡る」

★★★★☆。
 「銀漢の賦」を読んで感心したので読んでみた2冊目。まあまあこれもよい。とにかく文章は達者で安心して読める。信長秀吉の時代を権謀術数で生き抜いた黒田官兵衛の生涯、というと半分しか当たってないな。官兵衛の伝記を縦糸に、そこへジョアンという架空の修道士を登場させて当時のキリシタンの布教や弾圧のようすを横糸として、物語が織りなされてゆく。
 信長暗殺陰謀説というのはよくある話なのだろうか。舌先三寸で人の心を掌上で転がすかのように操って行くさまは、真に迫っていてつい信じてしまいそう。
 難点をひとついえば、官兵衛の物語とジョアンの物語とそれぞれ独立している部分が、別の小説を並行して読まされている感がある。こういう作法はよくあるけれど、お互いの関連が少し希薄なせいかもしれない。

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