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2012年10月20日 (土)

「光圀伝」

★★★★★。
 力作。「天地明察」を凌ぐ傑作時代小説!という帯の惹句はだてではない。こういう大作を間然することなく書ききるというのは本当に著者の力量を感じさせる。いろいろと才能豊かな人らしいけど、もっともっとこういう本格時代小説を書いてほしいと思う。
 主人公は水戸光圀。その若い頃の無頼派ぶりとその根底にある父親に認められないのではという引け目。兄を差し置いて世子にされたことへの葛藤、そして儒教への帰依と詩作への傾倒。呑気な諸国漫遊の黄門さまではなく、時代の中で血を流しながらギリギリの人生を生き抜いていく生身の光圀が語られてゆく。若き日の読耕斎との歯に衣着せぬ交友。生涯の伴侶たるべくめぐりあった泰姫との短い逢瀬。真摯でありながらユーモラスな筆致にぐいぐい引き込まれてゆく。
 しかし泰姫の魅力的なこと。これ史実なのかな。こんな魅力的な女性がほんとにいたのだろうか。光圀ならずともこれでは骨抜きにされてしまいそう(笑)。映画化するなら断然宮崎あおいだよなーと思ってしまう。

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 今日のランニング。16.4 km/113  min。今月の累計距離 109.6 km。

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