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2012年11月10日 (土)

「ドミノ」

★★★★★。
 恩田陸という人をぼくは誤解していたようだ。恐ろしいホラー作家だとばかり思っていて、それ系の苦手なぼくは書店の陳列コーナーでもできるだけ近寄らないようにしていた。たまたまそんな話になって読書家の教え子におススメの本を推薦してもらったのがこれ。確かにおもしろかった。いやめちゃおもしろい。
 総計27人プラス1匹の登場人物がいくつかのグループに分かれてまったく独立にそれぞれ騒動を起こし、それらの関連のないモチーフが時間とともに交錯し、入り乱れてわけがわからなくなり、キーアイテムであるどらやの紙袋が知らぬ間にすり替わって、そのために雑踏の東京駅で登場人物たちは右往左往し、最後はめでたく収拾されてゆくさまをおもしろおかしく綴ってゆく。ひとつひとつのエピソードは短いので全体が100のパラグラフに細分され、テンポよく場面転換してゆく。最初のうちは互いに関係のない話が細切れに積み重なってゆくので、登場人物とお互いの関係を追うのが目まぐるしい。だけど構図としてはそれほど複雑ではないのでじきに慣れる。こういう手法は伊坂幸太郎の「ラッシュライフ」を思わせるが、あちらは時間軸も前後していてより複雑なのに対し、こちらは時間の流れはシンクロしているのでわかりやすい。
 ホラーどころかユーモア小説だなこれは。とにかく登場人物たちのすることなすことがおかしい。いやあセンスあるなあ恩田陸。まったく思い違えていたよ。拾い物だった。もっといろいろ読んでみようっと。だけど主要登場人物のうち女性陣の生き生きと活躍することといったら。男どもはやられっぱなしでまったく影が薄い。ほんと女は強い、そして恐えーなぁという正直な感想は推薦者には内緒にしとこう(笑)。

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 今日のランニング。17.2 km/122  min。今月の累計距離 34.6 km。

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