« ベストセラー | トップページ | 意向投票 »

2012年12月 4日 (火)

「路上観察学入門」

★★★★☆。
 この本の正式なタイトルはどっちなんだろうか。カバー表紙には「路上觀察學入門」とあるのに、背表紙を含め他はすべて「路上観察学入門」となっている。カバーだけ旧字体を残したんだろうよ、ということなのかもしれないが、本の主題が「観察」であるだけに気になって仕方がない。しかも學はともかく觀なんてそうそうお目にかかる字ではないし。
 というぐあいにタイトルすらも物議をかもすというすごい本なのだこれは。まあ、中身は「超芸術トマソン」や周辺を読んだことのある人ならば、ああ、ああいうたぐいね、と予想範囲の内容なのだが。出だしのマニフェストは肩肘張り過ぎで硬い感じだけど、次の座談は内輪話ながら全体像をつかむのに好適。そして、この本の主題は何といっても半ばを占める8人のフィールド・ノートだろう。なかでも圧巻は林丈二「路上の正しい歩き方」。これはしかし何というか。単なる道歩きの何と豊饒なことだろう。この人には退屈や暇つぶしという概念はきっと皆無なのだろうな。こんなに面白いものならばぼくも町を歩きたい!とすぐにでも靴を履いて外へ出たくなること請け合い。ただし、札幌のような新開地では興味半減だろうなこれは。東京ならこれが書かれた時代から時を経ているとはいえ今でもいろいろと残っていそう、と坂めぐりで町歩きをしているぼくは思う。あとは南伸坊の宿題も結構いける。胎児が流れてきたのにはびっくりだけど。実話かいな。それからトマソンの超絶驚愕写真で世間を震撼させた煙突人間飯村昭彦がここにも登場。あまりリアルに書かないでほしい。読むだけでも身ぶるいがする。おおこわ。

Img_3873

« ベストセラー | トップページ | 意向投票 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

無料ブログはココログ